黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第3話
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めに」
「ニコライ、隊長の護衛は頼んだぞ。お前と隊長を除けば、ちょうど『奴ら』との頭数は互角になる。足止めは俺達に任せておけ」
「お前達……」
ジークフリートのプレーンスパルタンと、ニコライのキャリバースパルタン。その2人を除けば、前方から迫る「切り札」の数と、こちらの残りの戦力数は互角になる。そこに勝機を見出した隊員達は、キャリバースパルタン独りに隊長の護衛を託し、最恐の刺客――グールベレーの相手を引き受けようとしていた。
「……隊長、迷ってる暇はありませんぜ」
「あぁ。……皆。その命を懸けた勝機、確かに貰い受けたぞ」
「えぇ……隊長、ご武運を」
「次は地獄で会いましょう」
「お前達も……な」
無論、この期に及んで躊躇うことなどありはしない。この突撃に志願した時点で、覚悟を問う意味などありはしないのだ。プレーンスパルタンとキャリバースパルタンは顔を見合わせ頷き合うと、即座に部下達に「別れ」を告げ、ハンドルを切る。
2人を乗せたスパルタンハリケーンは残りの隊員達と別れるように、廃墟に挟まれた路地の奥へと飛び込んで行った。前方から接近して来る新手がそこに向かおうとする気配は無い。どうやら向こうも、この「果し合い」に応じるつもりでいるようだ。
「……奴ら、隊長を狙う気は無いらしい。先に俺達から殺したくてウズウズしているようだな」
「好都合だ、話が早くて助かる」
その動向に口角を吊り上げた隊員達は、それぞれの「獲物」に狙いを定めてハンドルを切り、己の死に場所へと愛車を走らせて行く。散り散りに走り出した無数のスパルタンハリケーンが、マフラーから猛炎を噴き。「覚悟」を決めた勇士達を、最期の戦場に送り届けようとしていた。
「……思い上がった怪物共に、人間様への礼儀というものを教えてやるぞ。俺達なりの『作法』でな!」
「了解ッ……!」
マルコシアン隊とグールベレー。双方の意地を賭けた決闘が、灰燼と化したこの街で始まろうとしている。吹き荒ぶ向かい風を胸部装甲で受け止め、荒野を疾る仮面の戦鬼達。
誰が為に、という問いなど無用。彼らは皆、敬愛する隊長と。己が使命に全てを委ね、死地へと赴くのだ。戦う術を持たぬ、全ての人々のために――。
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