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仮面ライダーAP
黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第2話
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 ジークフリートの元同期であり、マルコシアン隊の戦術教官でもあったその将校は、今の隊員達にとってもかけがえのない「師」であった。しかし現在に至るまでその行方は知れておらず、シェードに暗殺されたのではとも噂されている。将校クラスの失踪となればかなりの大事件なのだが、アイアンザック中将をはじめとする軍の上層部は混乱を恐れてか、事件から数ヶ月が過ぎた今もこの件を公表していない。

 改造人間に兵器としての価値を見出していたその将校は、シェードの技術を我が軍にも取り入れるべきだと進言していたらしい。一度はその件で、ジークフリートと激しい口論になっていたこともあった。もしかしたらそのことが原因で、シェードに目を付けられてしまったのかも知れない。

「……」

 共に幾つもの死線を潜り抜け、現在のマルコシアン隊を創設したその将校は、ジークフリートにとっては紛れもなく無二の親友だったはず。その親友をこのような形で失った彼の心傷は、察するに余りある。
 ジークフリートの横顔からその片鱗を感じ取ったエドガーは、何も言えずに口を噤んでいた。そんな部下の配慮を知ってから知らずか、ジークフリートは不敵な笑みを浮かべてエドガーの背を押していた。お前はもう何も心配するな、と言わんばかりに。

「皆も聞いての通りだ。今日だけは特例中の特例として、大目に見てやる。万一、上にバレた時は俺のせいにしていい。家族や友人、恋人のためにも、最高にカッコいい1枚を撮っておけ。ただし写真1枚につき、俺にワイン1本だ。安物は許さんぞ?」
「ヒューッ! さっすが俺達の隊長(ボス)だぜぇ、話が分かるゥ〜! ささっ、大尉もこっち来ましょうよぉ! こんなチャンス今日だけなんすからぁ!」
「……1枚だけだぞ」

 にこやかにエドガーの手を引き、撮影会に巻き込んで行くニコライ達。そんな彼らに渋々と付き合いながらも、微かに頬を緩めるエドガー。その様子をレオンとヴィルヘルム、そしてジークフリートは、穏やかな表情で見守っていた。

 例えこの先、どんなことが起きたとしても。どれほどの犠牲を払うことになろうとも。自分達の選択に、決して悔いなど残さないようにと――。

 ◆

 ――そして、物思いに耽っていた戦士達が我に返る瞬間。彼らを乗せたスパルタンハリケーンは豪快なエンジン音と共に、大きく跳び上がっていた。丸型のヘッドライトから眩い光を放ち、この努力と尽力の地(エンデバーランド)の全てに、己という存在を見せ付けるかのように。

「……! あの模造品共、まだ全滅していなかったのか!」
「コンタクトッ! 5時の方向、バイクッ! 数はッ……不明ッ!」
「撃てッ! 奴らを近付けさせるなッ!」

 天を衝くようなジャンプの轟音に反応したシェードの戦闘員達は、即座に対怪人用|突撃銃
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