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仮面ライダーAP
黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第2話
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て決める、とな。その前からそんなことをして、外部に漏れでもしたらどう責任を取る気だ」
「要は勝てば良いってことじゃないっすか。それなら心配要りませんよ、俺達マルコシアン隊はこの国最強の精鋭部隊なんです。俺達は勝つ。そんで政府もスパルタンのことを国中に報せる。そして俺達はカッコいい写真を土産に家族の元へ凱旋! 最高のシナリオじゃないっすか!」
「……お前の楽観主義は確かに隊の士気向上に貢献している、それは認めるがな。俺は意地悪で言っているのではないんだぞ。精鋭部隊の中でも特に人望のあるお前が率先してこんなことをしていたら、隊の風紀に関わると言っているんだ」
「いやだなぁ大尉殿! 人望があるなんてそんな、褒めても何も出ませんよぉ!?」
「……お前という奴は全く……」

 調子の良いことばかり口にするニコライの声に、周りの隊員達も同調したように笑い声を上げている。部隊のムードメーカーである彼の存在が、このマルコシアン隊の結束を支えていることは間違いない。だが、そうであるからこそ、彼が無茶をやり始めた時はいつもエドガーが手を焼くことになるのだ。

 今回はどのように説き伏せたものか。そう頭を悩ませるエドガーの肩をポンと叩いて、1人の大男がニコライ達の前に進み出る。その大男に対しては、怖いもの知らずなニコライ達も畏敬の視線を注いでいた。
 絶対的なカリスマ性を以て、このマルコシアン隊を率いている――ジークフリート・マルコシアン大佐だ。彼はその巨躯とは裏腹に、エドガーの背中を優しく押している。

「バレンストロート大尉、お前も行って来い。愛娘(エヴァ)の誕生日も近いのだろう? 何か一つでも、思い出になるものを用意してやれ」
「大佐、しかしそれでは……!」
「……今度の戦いばかりは何が起こるか分からん。何しろ相手は人間であることを捨てた、正真正銘の『モンスター』だ。アイアンザック中将と、このスパルタンシリーズの性能を疑っているわけではないが……万に一つも『心残り』があってはならんからな」
「大佐……」

 「万が一」の時は、ニコライ達が撮っている写真が自分達の存在を証明する「最期の記録」になることも考えねばならない。言外にそう告げるジークフリートは後悔だけはないようにと、エドガーの背中を押しているのだ。
 重い覚悟と責任を背負っている隊長の横顔に思うところがあったのか、エドガーは食い下がることが出来ずにいる。どこか憂いを帯びたジークフリートの横顔が意味するものを、エドガーはすでに察していた。

 ――数ヶ月前。アレクサンダー・アイアンザック中将が主導するスパルタン計画が秘密裏に始動し、マルコシアン隊の各隊員に試作外骨格が配備された頃。この部隊の創設にも携わっていた「最古参」の陸軍将校が、謎の失踪を遂げるという怪事件が起きていた。

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