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星河の覇皇
第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その六十一

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「実にな」
「左様ですね」
「それは色々ですね」
「今は愚か者でも賢明になれる」
「そうした者も多いですね」
「愚か者は何処にでもいるが」
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「ずっと愚か者というのもいませんね」
「世の中そうしたものですね」
「人は成長する生物です」
「だから愚かさからも脱却しますね」
「そうだ、呉下の阿蒙というが」
 中国の諺だ、進歩しないつまり成長しない者という意味だ。
「世の中そうした輩もいる」
「文字通りにですね」
「全く進歩しない輩が」
「そしてそうした輩程レベルが低いですね」
「それが世の常ですね」
「無学な輩でありますね」
「無学で適当な本を読んだりどうでもいい輩の話を聞いてわかったつもりになってだ」
 そしてというのだ。
「そうした本や輩から離れない」
「それで、ですね」
「全く進歩しませんね」
「低俗な中に止まっているので」
「それ故にですね」
「本を読み人と会って話をすると確かに成長する」
 カミュはそれは事実だと言い切った。
「実際にな、だがそれはだ」
「確かな本と人であるならで」
「それが低俗ならばですね」
「成長しませんね」
「そうですね」
「ヘドロの中で害虫達と会ってもだ」
 それでもというのだ。
「得られるものがあるか」
「ないですね」
「ヘドロの中では汚れるばかりです」
「害虫に会っても害にしかなりません」
「そうした中にあっては」
「成長する筈がないですね」
「真の愚か者はそうだ」
 今言った呉下の阿蒙はというのだ。
「程度の低い本を読みだ」
「程度の低い輩の話を聞いている」
「そのカルト教団の教祖の主張の様な本を読み」
「教祖の様な人物の話ばかり聞いている」
「だから成長しませんね」
「幾ら本を読み人と会っても」
「そうした輩は経済や宗教や政治の確かな本なぞ一切読まず」
 そしてというのだ。
「文学書も読まない」
「優れた小説や詩も」
「だから成長しませんね」
「低俗なままでいますね」
「その教祖が捕まっても」
「そうした輩はどうにもならない、だが放置してもだ」
 それでもというのだ。
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