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Fate/WizarDragonknight
服従させる魔法《アゼリューゼ》
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た悪魔のような形。
 だが、それに続く中足___それとも腕と呼ぶべきか___は、左右それぞれが別の形をしている。左は節足動物のもの、左は白骨体のもの。それぞれ非対称な中足が、その生物をより一層と怪物然としていた。
 そして後足は、胴体とは異なり、白いオオカミのような形状をしていた。
 頭部には硬い兜が付けられており、その先端には鋭い角が生えている。
 そして、兜の切れ目の目には、やはり生気のない白い目が覗いていた。

「コウスケ……こんな生き物見たことないんだけど……」
「オレだってねえよ! 何だよコイツ!? まるで合成生物(キメラ)じゃねえか!」
「どうしてここにこんな怪物が……?」

 だが、吠え、猛る怪物のゾンビの前に、その疑問を解消することはできない。キメラのゾンビは、その体にアンバランスな四肢を駆使して迫ってくる。

『ホール プリーズ』

 ハルトは入れ替えた指輪を発動。
 新たに作りたての指輪の能力は、大穴を作ること。今回は、目の前に巨大な落とし穴を作り上げ、足を捕えられた怪物が唸っている。

「フロストノヴァ!」

 ハルトの声に呼応してくれたのかは分からない。
 共闘の必要性を感じたのか、フロストノヴァは手を翳し、キメラを薄い氷の中に閉じ込めた。
 だが、長くはもたないだろう。

「今のうちに変身するよ、コウスケ」
「ああ。ゾンビなのは気が引けるが、コイツ相手に配慮していられねえ!」

 コウスケは、右手に指輪を取り付けた。獣の顔を模したその指輪こそ、コウスケが持つ力そのもの。

『ドライバーオン』

 そして、彼が左手に予め装着されていた指輪が、腰に当てられる。
 すると、古代より伝わる扉を象ったバックルが、彼の腰に出現した。

『シャバドゥビダッチヘンシーン シャバドゥビダッチヘンシーン』

 ハルトのウィザードライバーが変身詠唱を始めるのと同時に、コウスケが右手を天高く掲げる。
 ハルトもまた、左手のルビーの指輪、その装飾を下ろす。

「変身!」
「変〜身!」

 ハルトのルビーの指輪。
 それと同時に、コウスケが獣の顔をした指輪をビーストドライバーのソケットに差し込む、それはネジのように回転され、彼のベルト、ビーストドライバーが開く。

『フレイム ドラゴン』
『セット オープン』

 ウィザードライバーがルビーの指輪を読み込み、魔法陣を展開するのと同じく、ビーストドライバーもまた、その内部構造に刻まれたライオンの顔より、魔法陣が飛び出した。

『ボー ボー ボーボーボー』
『L I O N ライオーン』

 そうして並び立つ、赤と金の魔法陣。
 炎と獣の力を内包するそれは、それぞれの持ち主の体を正面から通過していく。
 す
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