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Fate/WizarDragonknight
服従させる魔法《アゼリューゼ》
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なったのか、首を傾げている。

「大学ってよく飛び級とかあるんでしょ? あの子もその口じゃない?」
「あんな目立つ奴いたらオレだって普段から気付くわ。……参加者ってことねえよな?」
「有り得ないって言いきれないのが自分でも嫌だ」

 ハルトは最悪を想定する。『ドライバーオン』と鳴らしたベルトを上着で隠し、左手にはルビーの指輪を付けておく。万一の準備を終え、その人物___少女へと近づいた。

「あのー」

 ハルトの声に、少女はゆっくりと振り向いた。
 ガラスのように透き通り___そして何も見ていないような目。

「何を……しているんですか?」

 だが、少女は答えない。表情を一切変えることなく、ハルトたちがいる空間を眺めていた。
 ハルトが困っているその時。
 キャンパス中の植木という植木より、音が鳴り出した。

「何だ?」

 コウスケが警戒の声を上げる。
 同時に、むにゃむにゃとえりかの背の結梨が、目を覚ました。

「あれ? えりか、どうしたの?」
「結梨さん……!」

 えりかは結梨を下ろし、その守ように背後に回す。
 やがて、ざわざわと木々の動きが激しくなる。同時に、その土をかきわけ、緑色の手が灰出てきた。

「何だありゃ!?」
「ゾンビ……!?」

 そう。ゾンビ。
 生ける屍が、舗装のない箇所より這い出てきたのだ。それぞれ多種多様な服装を身に纏い、この場はまるでゾンビが通う大学だったのかと錯覚してしまうほど。
 そして、それを行っている術者は確認の必要すらない。

「ふふっ……」

 薄っすらと笑みを浮かべる、この少女に間違いない。

「コウスケ!」
「わーってるよ!」
『コネクト プリーズ』

 ハルトは即、ウィザーソードガンを手元に召喚。
 地面より抜け出て、ハルトたちへ一歩を踏み出そうとするゾンビたち。その脳天へ、銀の弾丸を放つ。

「大学って夜中になるとゾンビの楽園にでもなるのかよ……!」
「なるわけねえだろ!」

 コウスケはそう言いながら、ダイスサーベルでゾンビの頭を叩く。
 本来ならば殴打のつもりだったのだろうが、相手は動く腐敗体。脆くなったその首は、彼の腕であっさりともげ落ちた。

「……余計に気味悪くなったな」
「オレのせいかよっ!」

 コウスケは叫びながら、指輪をベルトに差し込む。

『ファルコ ゴー』

 彼の背中に装着される、ハヤブサのオーナメント。
 そこから伸びるマントを両手で掴み、コウスケはマントを羽ばたかせる。
 すると、オレンジの竜巻が発生。ゾンビたちを次々と飲み込み、一か所にまとめ上げていく。

「はああああっ!」

 すさかずハルトは赤い眼となり、その両手から炎が溢れ出す。

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