第三部 1979年
姿なき陰謀
隠然たる力 その3
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感づかれる前に、技術解析を頼むのは、今しかできません」
白銀は、やや機嫌を損ねたように口元をゆがめる。
彼の表情を見たマサキは、ふとため息をもらしった。
「ほ、他の奴を探すんだ」
「相手は、諜報関係に関して百戦錬磨のゲーレン機関です。
ソ連の脅威を誇張し、米国を煽って、西ドイツの再軍備をすすめた連中です。
手ごわい相手になるでしょう……」
白銀は、ため息交じりに言った。
マサキの顔には、諦めの色が浮かぶ。
「こいつは困った。
チェコの技術チームに頼むか……」
「……」
白銀は、うな垂れていたが、やがて神妙に答えた。
「もしよろしければ、僕の方で、フランスにそれとなく接触して見ます。
ベトナムやラオスでの経験上、フランスとはコネクションがありますので……」
白銀の言葉に、マサキは驚いたように顔をあげた。
闇夜の中から、一条の光が差し込んだような気持であった。
「本当か……」
「この際、フランス企業のダッソーに、力添えを頼むのはどうです?
第一線を退いた方とはいえ、ダッソー会長なら、航空業界に明るいはずです」
マサキは疑ったが、事実、白銀の瞳は、涼やかであった。
「分かったよ……フランス関係はお前に任せる」
こうして、マサキ達は、戦術機の管制ユニットの解析を、フランスとチェコに任せることにしたのだった。
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