第三部 1979年
姿なき陰謀
権謀術数 その2
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は、ようやく今日でいうところの早期警戒管制機がボーイング社から実用化され、試験段階であった。
実戦配備は、1991年の湾岸戦争からで、それまでは空中戦は戦闘機単独で行うのが前提であった。
クゼ大尉は滑走路からの離陸許可の申請を行った。
「クリアード・テイクオフ」
後部座席に座るユルゲンは、米海軍の航空管制とはこういうものなのかと感心するばかりであった。
「燃料流量OK、ブレーキリリース」
機体の巡航速度が、130ノットになったのを見計らって、
「ローテーション、エアボーン・フルアフターバーナー、ギアアップ!」
空ぶかしをしていた跳躍ユニットからの轟音とともに、勢いよく機体が離陸する。
網膜投射越しに、カリフォルニアの澄んだ青空が目に入ってくる。
このチャイナレイクの基地は、年間を通して降雨量がほとんどなかった。
その為、ほぼ晴天という条件で飛行試験が行える好条件の立地だった。
クゼ大尉は、奔馬を操るロデオ大会の牧童みたいに、機体を強く躍動させた。
ユルゲンも負けじと、その起動に合わせる。
F-14は、戦術機としては初のマッハ2での戦術起動が可能な機体である。
この機体の新技術を東ドイツが、欧州が手に入れれば、戦術機の常識は根底から変わる。
ユルゲンはそんな思いをいだきながら、空に昇った。
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