暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その四十四

[8]前話 [2]次話
「そうした政治的野心を持っている者達もいる」
「左様ですね」
「様々な工作もしますし」
「そして政治の世界にも進出し」
「自分達の野心を満たそうとしていますね」
「特に教祖なりトップにいる者はだ」
 そうした団体のというのだ。
「野心が強い」
「一見崇高な宗教家を気取っていても」
「その実はですね」
「世を思いのままにしようとする」
「そうした輩ですね」
「そうした輩は欲が強い、いや」
 カミュは自分の言葉を訂正した、そうしてこうも言った。
「もっと言えばだ」
「欲の塊ですね」
「そう言っていいですね」
「そうした人物ですね」
「そうだ、権力にだ」
 エウロパを牛耳ったことによって得られるこの力にというのだ。
「金にだ」
「性欲ですね」
「そうした欲に満ちていますね」
「その実は」
「そうしたものだ、宗教家は本来欲を捨て去っているものだが」
 そう言われているものだが、というのだ。
「そうした者達はな」
「違いますね」
「欲に満ちている」
「左様ですね」
「見ればわかる、儀式の時等に眩いまでの服を着たりだ」
 その様なことがあってというのだ。
「偉そうにふんぞり返っている」
「そこに出ますね」
「欲があるかどうかは」
「過度に豪奢な服を着たり」
「若しくは傲慢ですね」
「どちらも宗教家にあるまじきことだ」
 そうしたものだというのだ。
「間違っても普通の宗教家はそうはならない」
「ローマ教皇ですら今はそうです」
「そのお暮しは実に質素なものです」
「神の代理人と言われる方でも」
「そうであられます」
「そうだ、猊下は残念ながら連合に行かれたが」
 カミュは今はエウロパで別に教皇を立てる動きが出ていることは言わなかった、それは話の本題ではないからだ。
「しかしだ」
「お暮しは質素です」
「枢機卿の方々も」
「確かにバチカンは色々な噂がありますが」
「お金にまつわることでも」
「それは言わないことだ」
 バチカンの噂、闇とも言われるそうしたことについてはというのだ。
「私も寄付はしている、一市民もマフィアもだ」
「寄付は出来ますね」
「それが断わられることはない」
「例え誰であろうとも」
「宗教界とそうした社会のつながりはな」
 どうしてもというのだ。
「敢えてだ」
「左様ですね」
「それを言うと、ですね」
「何かと厄介ですね」
「そして政治の世界からのですね」
「宗教の方への介入にもなりかねない」
 即ち政教分離に反するというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ