暁 〜小説投稿サイト〜
IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
援護軌道
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 時刻は午前11時半。
 真夏の容赦ない日差しが砂を焼き、その砂浜が風圧により吹き飛んだのが遠目に確認できます。

 飛んでいくのは真っ白な『白式』とそれを背に乗せた真紅の『紅椿』。一夏さんを背中に乗せた箒さんが猛スピードで上昇し、そのまま300m付近まで急上昇すると加速して一瞬で視界の外に行ってしまう。
 でもそれを見送る暇は私たちにはありません。

「すいません! この調整を!」

「一々すいませんつけなくてもいいって言ってんの! 時間もったいないでしょ!」

「あ、はい! お願いします!」

「こっち終わったから寄越して!」

「はい!」

 そこにあるのは高機動制空型パッケージ『スカイ・ルーラー』を装備した『デザート・ホーク・カスタム』。
 私の前にはISに接続された投影型モニターが4つにコンソールが二つ。その二つのコンソールを叩きながらモニターが映し出すデータを見てほぼ同時に処理していきます。
 右隣には鈴さんが、左隣にはシャルロットさんが同じ状況でパッケージの調整を手伝ってくれています。私一人では30分以上はかかってしまうので仕方ありません。

「左翼ブースターオールグリーンを確認! そっちはどう!?」

「右翼ブースターオッケーよ! カルラ!」

「待ってください! あと30秒!」

 お二人とも流石です! 最後、これ!
 最後にスラスターとメインブースターの調整の終了を表す画面が赤から緑に変わり、全てのチェックを終えたことを伝えてくれる。

「終わりました! いつでも行けます!」

「何とか間に合ったね」

「はい、お二人ともありがとうございます」

 シャルロットさんの言葉に私は二人に素直に頭を下げます。

「ま、高機動パッケージはカルラとセシリアしか送られてきてないから」

「うん、いざとなったら一夏と箒を頼むよ」

 一夏さんと箒さんに追いつけるのは、高機動パッケージを元から装備していた私と送られてきているセシリアさんだけ。
 セシリアさんの方にはラウラさんと山田先生が手伝いに入っています。本来ならその国の戦力の一部であるパッケージのインストールや調整を他国の人に手伝ってもらうのはあってはならないことですが……友達の危機に比べれば安いものです。私の場合は、ですけどね。

「で、セシリアの方は終わったのかしら?」

「様子見に行ってみる?」

「そうですね。あちらはインストールも調整も終わっていませんし……」

「こちらも終わったぞ」

「「「え?」」」

 3人同時に声の聞こえた方に顔を向けるとそこには眼帯を外したラウラさんと真っ青な顔のセシリアさんが歩いてきていました。

「『越界の瞳』使ったんですね」

「ああ」


[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ