援護軌道
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り響く。
―『白式』エネルギーempty! 危険域に突入!―
はっとした。
今のでエネルギーを使い切ったのでしょう。一夏さんの『雪片弐型 』から光が失われた。
『零落白夜』を使えない。それは作戦の完全なる失敗を意味します。
『馬鹿者! 犯罪者などを庇って……! そんな奴らは……!』
『箒!!』
『……!』
オープンチャンネルでも感じる程の悲しみを含んだ一夏さんの声に、こちらに向けられているわけでもないのに一瞬心が飛ぶような感じに陥ってしまう。
接敵まで30秒!
『箒…そんな…そんな寂しいこと言うな。言うなよ。力を手に入れたら、弱いやつのことが見えなくなるなんて……らしくない! 全然らしくないぜ箒!』
『わ、私は…私はただ……』
その言葉に呆然とした箒さんの手から刀が滑り落ちるのを確認し、粒子となって消えたのを……見た!
恐れていた警告が再び発せられる!
―『紅椿』エネルギーempty! 危険域に突入!―
なんて……こと! どちらもエネルギー切れなんて!
エネルギーの切れたISの装甲は驚くほど脆い! あの広域殲滅型のISの攻撃を受けきれるわけが無い!
接敵まで後10秒!
「セシリアさん!」
『無理ですわ、こちらもこれで精一杯! この距離から撃っても……!』
セシリアさんの焦った声が聞こえる。
肉薄していた箒さんに体勢を立て直した『銀の福音』の全ての砲口が向けられる。
接敵まで5秒! その5秒が……果てしなく、遠い!
間に………合わない!
「箒いいぃぃぃっ!!」
聞こえるのはオープンチャンネルからではなく周囲の空一帯に響き渡るほどの叫び声を上げた一夏さんと、その二人(・・)を包み込む爆発。
驚くべきことに一夏さんは自分のことを一切考えず箒さんとの間に割り込んだ。
その結果は……確認なんてする暇ありませんよ!
一夏さんはセシリアさんに任せたんです! 私は……私の役目を果たすだけ!!
右手に武装を展開……
「行きます!」
セシリアさんに伝えるために叫ぶ。
右手に展開した突撃槍『メガホーン』を両手で支えて前に出し、最高速度を保ったままで福音に突き刺した!
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