第四章
[8]前話
オシーンは彼等の頭を撫でるとそれぞれ尻尾を振った、そして。
「ヒヒーーン」
「馬か」
「はい」
ここでだ、金髪に緑の目の清楚な身なりの美女が来た、その美女がオシーンに語った。
「私の馬です、白馬の」
「白馬?銀の蹉跌の」
「それが何か」
「そなたは」
美女を見てだ、オシーンは思わず声を上げた。そしてその名を読んだ。
「ニアヴ・・・・・・」
「金髪のニアヴと呼ばれていますね」
「そうだったな」
「あなたの妻です」
ニアヴ、彼の妻は自ら言った。
「七年と七日前から」
「わかっている、だが」
「だが?」
「夢なのか、それとも」
オシーンは夢のことを思い出しつつ呟く様に言った。
「これは現実か。この国は何処だ」
「?何を言っている」
「コノートだ」
「そして我々はフィアナの者だ」
「戦士団のな」
仲間達はオシーンに不思議そうに答えた。
「おかしなことを言う」
「夢で何かあったのか」
「それで言うのか」
「そうじゃない、しかし」
それでもと言うのだった。
「私は起きた、起きたならな」
「まずは怪我を回復させろ」
「そしてまた戦場に立つぞ」
「そして詩を作れ」
「狩りもするんだ」
「そうする、この世でな」
「そうです、この世で為すべきことを果たしましょう」
妻は仲間達に言った夫に微笑んで話した。
「そして全てが終われば」
「ティル=ナ=ノーグにか」
「また行きましょう」
「そうしよう」
妻に応えた、もう全てわかっていた。
彼はあの時確かにティル=ナ=ノーグに行っていた、妻と共にあの国での日々を過ごした。そしてだった。
砂に素足をつけて戻った、そこで妻も一緒になった。そして。
またあの国に行く、その時まで為すべきことをすべきだと。全てわかった彼はもう戸惑ってはいなかった。落ち着きそして微笑り妻が持ってきたオートミールを口にした。そのオートミールは実に美味かった。
オシーンの夢 完
2023・11・13
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