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オシーンの夢
第三章

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「素足ではだな」
「大地を踏んではいけません」
「見れば誰もがそうしているな」
「ですからあなたもまた」
「心掛ける」
「そうして下さい」
 このことはくれぐれもとだ、ニアヴはここでもオシーンにこのことを話した、オシーンもこのことを肝に銘じて気をつけていた。
 だがある日池で泳いでだった。
 池から出た時にこの国では大地を踏まない様に観ずに少し入ったところに置いていたサンダルが水に流された、そして。
 水が引いてサンダルがあった場所が砂地即ち大地になった。それは一瞬のことであり。
 オシーンはそこに素足をやってしまった、泳いでいたので裸であり靴も脱いでサンダルを置いていたがだ。
 その踏んだ瞬間にだ、彼は。
 ふと気付いた、そこは彼の白の自室であり周りにいた共に狩りをしていた者がベッドに横たわっている彼に言ってきた。
「ああ、目覚めたか」
「そうなったか」
「よかったよかった」
「無事そうでな」
「無事?私は確か」
 ティル=ナ=ノーグにいた、そう言おうとした。だが。
 それより前にだ、周りが言ってきた。
「落馬してだ」
「それで頭を打って気を失っていたが」
「丸一日な」
「だが起きて何よりだ」
「一日だと」
 この言葉でオシーンはわかった、それで言った。
「そうか、あれは夢だったのか」
「夢?」
「そうか、夢を見ていたか」
「気を失っていた間そうだったか」
「いい夢だったか?」
「それならいいが」
「いい夢だった」
 ニアヴとティル=ナ=ノーグのことを思い出してだ、オシーンは微笑んで答えた。
「実にな」
「それは何よりだな」
「そして目覚められてな」
「怪我はないから安心しろ」
「少ししたらまた歩けるぞ」
「ワン」
「ワンワン」 
 ここでブランとシュケオリング彼の愛する二匹の猟犬達が彼の傍に来た、そして目覚めたことを喜ぶ様に彼に顔を向けて鳴いてきた。
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