第52話 =真実=
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た。
だが、それもユイ自身の否定で終わろうとしてる。
「…もう…遅いんです……わたしが記憶を取り戻したのはこの石に接触したから…さっきアスナさんがわたしをこの安全地帯に退避させてくれた時、わたしは偶然あの石に触れ、そして知りました。あれは、ただの装飾的オブジェクトじゃないんです……GMがシステムに緊急アクセスするために設置されたコンソールなんです」
「……これでようやく一致した…。あれはここを守るボスモンスター、恐らくあのバルバトスとかいうやつも同じくシステムコンソールを守るボスなのだろう、そしてあの炎の剣が《オブジェクト・イレイサー》…で合っているな?」
また急にソラが俺の体を支配し、自らの出した推理を話す。未完成だったからかこういう情報にはなかなか確信が持てないやつなのか…システムに関することなんて聞いたこと全然無いから初めて知ったよ…。
…それはともかく、どうやらその反則武器を召喚したはいいもののそれによりユイがコアシステムによりプログラムを走査されているらしく、このままではバグとして消去されてしまう、とのことだ。
「…そんな…そんなの…!」
「なんとかならないのかよ!!」
キリトとアスナが悲痛な叫びを上げるがそれに答えるほどカーディナルは優しくない、とうことを示しているのかどんどんユイの体が透けていった…。だがユイは自分が消えていっているのにも関わらず優しく微笑んでお別れの言葉を言ってくる。
「これから……これからじゃない…!これから皆で楽しく…仲よく暮らそうって…!!」
サチも声を荒げてそう叫ぶがその体の透明化は止まらない、それどころかどんどん加速してきている。
「パパやママ…にぃ、ねぇ…皆のそばにいると周りの人が笑顔になれた…わたし、それが一番うれしかった…お願いです…これからも…わたしの代わりに……皆を助けて…喜びを分けてください…」
足からどんどん朝露のように光の粒子となって消えていき、本格的な消滅を始めた。どうやらバグと認識されてしまったらしく無慈悲にも完全消滅させるつもりだろう…。
「……そんな…ユイちゃん…」
そしてその数秒後、ユカの呟きを聞くまでも無く俺たちの見守る中ユイの体は消え去ってしまった……だがその状況をソラはサ
ラリと冷たく言い放つ。
「バグと判断されたんだ、当たり前だろう」
「…なんで…なんでそんなひどいことが言えるの!?」
そんなことを冷たい顔で言ったソラにサチがつかみかかる。その表情は悲しみに歪んでおりその瞳からは涙が滝のようにあふれ
出ていた。
「……」
だがその声にもソラは何もこたえない。
『ふざけるな……!!』
「カーディナル!!…そういつもいつも……思い通りになると思うなよ!!」
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