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不可能男との約束
抑制という名の衝動
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せいでこっちに懐かない……じゃなくて近寄らないんだよね。こっちに色々と気遣って。ナイちゃん的には、別に気にしなくてもいい事なんだけど……」

「そうだな……私も以前、金を綺麗にしてくれないかと頼んで小銭を渡すと金貨かと疑いたくなるくらい綺麗になって返してくれた───とてもいい存在だぞ」

「うわぁ……」

守銭奴の言っている事に全員で引き、無言で視線を逸らした。

「やだっ、シロ君! そんなお金の魔力を更に引き出すためなら獣の力も借りるなんてもう! 素敵過ぎるよっ」

逸らした先にも金に狂った守銭奴メスバージョンがいたので、皆は黙ってトーリ達の相対に集中した。
狂人に視線を向けたら感染する。
そう思っていたら守銭奴二人がため息を吐き、そしてシロがだがと前置きをして言葉を作った。

「……あんな風に名前を覚えて喋りかけてくる光景なんて見たことないぞ」

黒藻の獣達が願っているのはただホライゾンの救出だった。
ただただ助けてほしいと正純に願っていた。正純は政治家だから、お金を使ったら、ホライゾンも助けてくれると言って、ここからでは上手く見えなかったが、何か綺麗なものを正純に渡していた
何なのかは解らないが、理解できることはある。
正純の体が震えている。
何の感情でその震えが起きているのかを考えるのは無粋と言うものだろう。それを持つ資格があるのは体感している本人だけだ。
だから、次の言葉で皆で納得した。

「───そうだ、な。政治家が意志を通さなきゃ政治家じゃないもんな……」

そして正純が選んだ表情は微笑だった。
それでいいと熱田も思う。
悩んで苦しんで出したのならば、最後には笑わなきゃ損だ。だから、トーリも喜美も満足そうに笑っている。やっぱり、このお馬鹿姉弟は似た者姉弟だぜと改めて実感する。
あのおばさんの教育の賜物かねぇ……いや、だったら何故喜美はホラー相手にあんなヘタレているのか?
という事は自前か。
自前であそこまで馬鹿な全裸と狂った変態女が生まれてしまったのか。原因は一体なんだ?
改めて考えるが、考えるとアホらしく思えてきたので、止めた。
そしてそれ以降、正純は完璧に自分の意志で口を動かして、ホライゾン救出の術と理由を語った。
曰く、ホライゾンが三河君主として責任を取る必要がないとのこと。
そして三河を航空都市艦として認定して三河消失をなかったことにする。そうすれば誰も責任を取らなくてもいいとのことだった。
思わず、皆で息を呑む結論だった。
だが、それならば……と誰もが思った瞬間に空に一つ巨大な表示枠が出てきた。そこには白い長衣を纏った男。

『───詭弁だな』

「教皇総長……」

『おう、そうだ。K.P.A.Italia の教皇総長インノケンティウスだ』

ホラ
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