第2話 緋弾に出会いました。
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ったという事だ。その時点で、彼女もそれ相応な力、そして身分という事になる。
(一般人ならまず気付かないしな)
クルトはどういった返しをするか瞬時に考える。しかし、別に騒ぎ立てられても、自分のような子供を暗殺者だと思う大人はいない。故に正直の答え、騒いだら逃げればいいと考えた。
「俺?―――暗殺者」
と、少しだけ凄んで言う。
「そ。じゃあ逮捕」
カチャリ。
「え?」
右手に手錠がかけられる。
相手が子供だとなんの警戒もせず、仮に攻撃をしてきても対処出来ると高を括っていた結果、無様に手錠を掛けられてしまった。
まあ、少女の行動に一切の害意が無かったのも大きいが。
「ちょ、ちょちょちょっと待て!!なんで俺にいきなり手錠かけんだよお前は!?」
「決まってるじゃない。あんたが自分の事を暗殺者って言ったからよ」
「おいおいおい!子供の戯言を信じるのかお前は!?」
その言葉に、少女は可愛らしく首を傾げた後、さも当然のように。
「だってあんたの言葉は何故かホントっぽい気がしたから」
と、言い放った。
正に完全なる勘だと、この少女は言い切ったのだ。
しかし、その勘が当たっている以上、クルトは何も言えずに押し黙る。
「ほら、やっぱり図星なんじゃない」
「……………」
暗殺者として致命的な程、クルトは表情を作るのが苦手であった。
今も冷や汗が止まらない。
「ほら、さっさと警察行くわ―――」
「―――動くな」
少女が言い終わる前に、男が少女の背中に現れ、そう呟いた。クルトの方を少女が向いているので、何をされているか分からないが、恐らく銃口を突きつけられているのだろうとクルトは予想する。
「我々と一緒に来て貰おうか。抵抗すれば、その手錠を掛けられているガキは勿論、一般人も殺すのでそのつもりでな」
と、人質に取る時の決まり文句を言い放つ男。
それと同時に、道に一台の車が止まる。白色のバンだ。
当の少女は、その顔を悔しさで歪ませている。だが、後ろを容易く取られた時点で、この男が少女よりも強いというのは明白だ。
そして、クルトはというと、男の方へは一切の関心を向けず、別の事を考えていた。
(シャーロックからの仕事の依頼が来たあと、都合よく誘拐が起きた。しかも俺の目の前で)
シャーロックから頼まれてロンドン来たという時点で、この誘拐をただの偶然と片づける気は今のクルトには無かった。
そして同時にクルトは確信する。
目の前にいるこの少女が、アリア=ホームズなのだと。
(さて、この場でこいつをぶっ飛ばしても良いんだが、恐らく俺は最終的な局面までこいつの人質として使われる筈。ならギリギリまで待
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