暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第193話:愛と涙を宝石に
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!?」

 珍しく動揺を露にするワイズマンの前で、2人がゆっくり目を開けた。そして意識が現実に戻ってきた事に小さく息を吐くと、不意に奏は彼と指を絡めて握り合っている手の中に何かがある事に気付いた。

「ん、あれ? 颯人、何か持ってる?」
「え?」

 奏に言われて颯人がゆっくりと手を開く。そこには”透き通った水晶のような見た目の指輪”ともう一つ、”燃え上がるような赤い指輪”が握られていた。颯人はその内の片方、フレイムウィザードリングなどと造形が似通った透き通った方の指輪を手に取った。

「コイツは…………そうか、なるほど」

 手に取った事で、指輪からドラゴンの意思が伝わって来た。為すべき事が分かり、颯人は赤い翼のような造形の指輪を奏に渡して透き通った方の指輪を左手の中指に嵌めた。

「こっちはドラゴンから、奏へのプレゼントらしい。受け取っときな」
「ファンからのプレゼントなら、大事にしないとな」

 2人は軽口を叩き合いながら、しかし視線は真っ直ぐレギオンファントムに向けられていた。レギオンファントムは今目の前で起きた現象が分からず、困惑した様子で2人の事を見ている。

「お前達……今何が……」

 狼狽えるレギオンファントムの姿に、颯人は口角を吊り上げて笑みを浮かべると魔法で腰にウィザードライバーを出現させた。それは彼が問題なく魔法を使える事の証明であり、先程まで彼の中で彼をファントムにせんと暴れていた魔力が大人しくなった事の証でもあった。

〈ドライバーオン、プリーズ〉
「さっきまではよくも好き放題やってくれたな? こっからは俺の舞台だ。タネも仕掛けも無いマジックショー、楽しんでいけッ!」
〈シャバドゥビタッチ、ヘンシーン! シャバドゥビタッチ、ヘンシーン!〉
「変身ッ!」

 レバーを操作して左手に合わせたハンドオーサーに、颯人が指輪をはめた左手を翳す。すると彼の体からクリスタルで出来たドラゴンが飛び出し、かと思えば上空から覆い被さるように彼の体に飛び込んだ。

〈イィィンフィニティ!〉

 ドラゴンが飛び込むのを奏は心配する素振りも無く見ている。

〈イィィンフィニティ!〉

 一方ワイズマン達はそれを信じられないという様に見ていた。

〈イィィンフィニティ!〉

 颯人の仲間達は、次に彼が何を見せてくれるのかと期待を込めた目を向けている。

〈イィィンフィニティ!〉

 そして輝彦とアリスの2人は、息子の無事と彼が手にした新たな力の正体に気付き驚愕と希望を胸に抱いた。

 様々な視線を受けながら、彼の体が白く眩い光を放つ魔法陣に包まれ、そして彼の姿を真の希望を齎す魔法使いへと変えていった。

〈プリーズ! ヒースイフードー! ボーザバビュードゴーーン!!
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