暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第193話:愛と涙を宝石に
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最高の絶望の瞬間がッ!」
無邪気な子供が楽しみの瞬間を待ちかねたように仮面の奥で目を輝かせるワイズマン。だが離れていた彼は気付かなかった。
顔が完全に異形化する直前、彼の目から一粒の涙が零れ落ちた事を…………
その涙が、奏が握り胸に包む様に抱いた彼の左手に滴った事を…………
愛し合う2人の、互いを想い合う涙が一つに合わさり、彼の左手を濡らした。
その瞬間、奏が抱きしめた颯人の左手の中から眩い光が放たれた。
「ッ! な、何がッ!? うッ!?」
「うぉっ!?」
突然胸元から溢れ出た光は、目を開ける事も難しい程の明るさとなって奏と颯人の視界を覆いつくす。その光は遠目から見ていたワイズマンや輝彦の目にも届き、本部から様子をモニターしていたアリスもその光景に思わず目を見開いた。
「あれは……! あの、光は……!」
***
「――――ん?」
ふと気付けば、奏は暗闇の中に居た。周囲全てが闇に覆われ、上も下も分からない奇妙な空間。
だがふと右手に違和感を感じたので、そちらを見てみればそこに居たのは元の姿に戻った颯人だった。彼は奏の手を握った状態で立ち尽くし、眠った様に目を閉じてジッとしている。
「おい颯人? 颯人ッ!」
「ん、お……? え? ここ……俺は…………?」
奏の呼び掛けに目を開けた颯人は、彼自身も今の自分に何が起きているのか分からない様子で元の姿に戻った自分の体をまじまじと見ている。そんな彼の姿に奏は彼が助かったと思い、嬉しさに涙を流しながら彼に抱き着いた。
「颯人ッ! 良かった……! 元に、元に戻れたんだな……!」
「いや、そう考えるのは早計だ。多分ここは――――」
落ち着いてきた事で今の状況が颯人には何となくだが分かった。ここは以前、修行の際に何度も目にする事になった自分の内面。アンダーワールドとも違う、だが自身の魔力と向き合う事が出来る特別な空間。現実とは違うここに奏も居る事が分からなかったが、少なくともここには他にもう一つ居る奴が存在する。
その存在の声が周囲に高らかに響き渡った。
「ギャオォォォォォッ!」
「なっ!?」
「奏ッ!」
突然周囲に響き渡った声に驚く奏を、颯人が守る様に抱きしめる。するとそれを待っていたかのように、2人の周囲を白銀の体を持つ1体のドラゴンが飛び回る。
2人が警戒しながら飛び回るドラゴンを見ていると、ドラゴンは2人の前に降り立ち顔を近付けてきた。次にドラゴンが何をするつもりなのかと固唾を飲んで2人が見ていると、突然頭の中に声が響き渡った。
『全く、お前達には驚かされる。まさかこんな形で俺を宥めてしまうとはな』
「んんッ!? えっ? お前もしかして喋れ
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