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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆ヒースクリフの謎
第三十二話 総当り戦
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していた。彼はまず自分のHPゲージを確認し、それが6割ほど残していることを確認する。『マルチシュート』は攻撃力が低い技なので、クリーンヒットを受けてもそれほどHPが減らなかったようだ。
「シリカ君。私は君を見くびっていたようだ。まさか本当にこの私が負けることになるとは」
「偶然ですよ。私もまさか『アーク』が防がれるとは思いませんでした。すごい反射神経ですね」
「はっはっは、敏捷性が低くても筋力値があれば盾を素早く操ったりすることはできるのだよ」

 高らかに笑ってみせたヒースクリフだが、その表情は全く笑っていない。
「さて、次はマルバ君かな。観客がお待ちだ、立ち去り給え」
「わかりました」

 シリカは一礼するとこちらにやってきたマルバとすれ違う。
「マルバさん。あの人は何かおかしいです」
「そっか。分かった、僕は勝つことより彼が何を隠しているのか調べることにするよ」
「頑張ってください」

 シリカが退場し、マルバはヒースクリフと対峙した。
「君がマルバくんか」
「そうですよ。僕が《双剣》のマルバです」
「ほう、《双剣》。投剣と短剣を同時に使う者がいると聞いていたが、それは君のことかい?」
「多分そうでしょうね。僕以外にこんな変な戦い方する人、知りませんから」
「なるほど、なるほど……それでは、私は今日、二人の『二刀流』と戦うことになるわけだ」
「そうなりますね。貴方自身も二刀流のようなものですけど」
「はっはっは、面白いことを言う。盾が剣と同等の武器になり得ると? 私は盾はあくまでも補助として使っているつもりだったが」
「十分なりえますよ。僕のギルドには大盾使いがいますが、彼が剣を抜いたところはほとんど見たことがないです。彼はほとんどシルドバッシュだけで戦ってますよ」
「ほほう……それは実に興味深い。《盾攻撃スキル》はあくまでも盾に当たり判定を与えるだけのスキルだったはずだが。今度その彼に会わせてくれ給え」
「いいですよ、彼もあなたと話してみたいと思いますし」
「さて、そろそろ始めようか。観客が待ちわびているようだから」
「そうですね。それでは、改めて。 ……《双剣》のマルバ、参る!!」
「フッ、君も名乗るのか。いいだろう! 《神聖剣》ヒースクリフ、受けて立つ!!」

【DUEL START!】
 カウントがゼロになったにも関わらず両者は一歩も動かなかった。
 シリカの言ったとおり、この男が何かを隠しているのだとすれば……これはその隠しているものを暴くいい機会だ。
 二人の視線が交差する。

 マルバはヒースクリフの装備を見つめた。
 なんの変哲もない十字剣と十字盾。
 装備に特別な点は見られない。
 しかし、ヒースクリフは十字盾でもスキルが発動できるのだ。
 盾にも十分に注意す
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