暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
結梨
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 ハルトの大学での手伝いは、翌日より早速始まった。
 朝起きて、まずはラビットハウスの当番や手伝いをこなす。その後、午前中はシフトとして業務に入り、夕方ごろにラビットハウスから見滝原大学へ移動。
 コウスケと合流し、その足で教授が待つ地下の研究室で、彼の手伝いを夜まで行う。
 そんな生活が、一週間続く。

「つ、疲れた……」

 大学のベンチで、ハルトはぐったりと座り込む。

「おう。マジでお疲れ」

 隣に腰かけたコウスケが、ハルトの肩をポンポンと叩いた。

「この一週間、お前マジで毎日大学来てたな」
「土日も関係ないとかどうなってるの教授職……?」
「大学はお前が知ってる学校とは違えからな。教授によっては、研究のために何泊でもする可能性だってあるわな」

 ハルトは「うへえ」と息を漏らし、天を仰ぐ。
 すでに太陽は沈んで久しい。これからハルトが眠りにつくまでの間にすることと言えば、夕食と入浴と歯磨きくらいだろう。

「大学って、小中高の延長線上だと思ってたけど、全然違うじゃん……」
「ああ、それオレも最初思ったぜ。授業___講義っつうんだけど、それも自分で選ぶんだ。同級生と受けるの全然違うなんてザラだぜ」
「そうなんだ……」

 ハルトは空返事をしながら、しばらく口を閉じる。

「あ! お兄ちゃんたちいた!」

 すると、大学のキャンパス内を明るい声が飛んできた。
 見ると、結梨がこちらへ駆け寄ってきていた。

「結梨ちゃん?」
「それにえりかも来たな」

 コウスケの言う通り、結梨の後ろにはえりかもゆっくりと歩いてきていた。

「松菜さんに多田さん。先ほどぶりです」
「どうしたの?」
「教授が、どうやら今日のリモートミーティングが長引くそうなので、私たちで別に晩御飯を食べることになったんです。ご一緒にいかがですか?」
「ああ! いいぜ。ハルトもどうだ?」
「そうだね。いいよ。その前に、可奈美ちゃんにも連絡しておかないと……」

 今日の夕食の当番を思い返し、ハルトは可奈美へ夕食を外食で済ます旨を伝えた。数分置いて、可奈美からの了承を受け取り、疲れた体に勢いをつけて立ち上がった。

「よし。俺も大丈夫。結梨ちゃんはどういうのが好きなの?」
「何でも好き!」

 元気に答えた結梨。
 ハルトとコウスケは互いに見合わせ、苦笑する。

「よし。それじゃあ、ちょっと外に行こうか。お父さんからはちゃんとオッケーもらった?」
「あ、それは蒼井が確認しています。料金も全員分蒼井が預かっているので、どこでも費用は気にしないでいいですよ」
「本当!?」
「そいつはありがてえ!」

 ハルトとコウスケは同時に目を輝かせた。

「それじゃあどこにするよ? この辺り
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ