第一章
[2]次話
極道のお嬢様
小学六年生の岩崎佳織は黒髪をロングにしていてきりっとした目鼻立ちであり色白でスタイルがいい。着ている服はいつもいいものであり。
書道や茶道、日舞の稽古に忙しい、誰が見てもお嬢様であるが。
そんな彼女についてだ、黒い噂があった。
「親御さんヤクザ屋さんなんだよな」
「ああ、県内一の組のご令嬢らしいな」
「家は凄くでかいお屋敷で」
「お屋敷の中には入れ墨入れた兄ちゃん一杯いるらしいな」
「お祖父さんが組長さんで」
「滅茶苦茶怖い人で」
「警察も逆らえないんだよな」
こうした噂があった、その証拠か。
佳織がいつも送迎されている車は黒のベンツだった、運転手はサングラスにスーツという如何にもな者達だった。
「拳銃持ってるよな」
「それで何かあったらズドン」
「絶対にヤクザ屋さんだよ」
「誰が見ても」
「まさか」
その話を聞いてだった。
同じ学年の小林真礼おっとりした感じの顔で小柄で黒髪を肩の長さで切り揃えている彼女は首を傾げさせて言った。
「ヤクザ屋さんじゃないでしょ」
「いや、そうなのよ」
「あの娘のお家ヤクザ屋さんよ」
「県内一の組の組長さんよ」
「凄く怖いんだから」
「入れ墨入れてるのよ」
「まさか。ヤクザ屋さんだったら」
笑ってだ、真礼は言った。
「背中に入れ墨あるけれど佳織ちゃんないでしょ」
「それはそうだけれど」
「あの娘の背中奇麗だけれど」
「色白でね」
「そうだけれど」
「指あるし」
このことも言うのだった。
「それだとね」
「大丈夫なの」
「あの娘ヤクザ屋さんじゃないの」
「そうなの」
「ええ、そうよ。何ならね」
真礼は笑って言った。
「あの娘に直接聞くわ、私」
「えっ、止めなさいよ」
「ヤクザ屋さんよ」
「その娘にヤクザ屋さんなのって聞く?」
「そんなの駄目よ」
「大丈夫よ」
根拠なくこう言ってだった。
真礼は実際にだ、佳織のところに行って笑顔で尋ねた。
「佳織ちゃんのお家ヤクザ屋さんなの?」
「関りはあったわ」
佳織は真礼のその問いに答えた。
「何でもね」
「そうなの?」
「うちお寺だから」
それでというのだ。
「妙零寺ね」
「あっ、あの凄く大きくな観光地でもある」
「そうなの。お寺はね」
こちらはというのだ。
「実は昔色々とヤクザ屋さんと関わりあったの」
「今も檀家さんにいたりして」
「そうなのね。じゃあ佳織ちゃんは」
佳織自身はとだ、真礼は言った。
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