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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第98話:お引っ越し
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ると、荷物を肩に担いでマンションの中へと向かう。
肩越しに後を振り返ると、俺よりも少し小さなバッグを担いだなのはが、
満面の笑みを浮かべたヴィヴィオと手をつないで俺のあとについて
歩いているのが見えた。俺は立ち止まってなのはたちを待つ。

「どうしたの?」

なのはは俺が立ち止まったのを不思議に思ったらしく、
小首をかしげて俺のほうを見る。

「いや、別に・・・。それより荷物持とうか?」

「ううん、大丈夫。ありがとね、ゲオルグくん」

そういってにっこりと笑うなのはに見惚れていると、
袖を引かれる感じがした。
そちらに目を向けるとヴィヴィオがいぶかしげな表情で俺を見上げていた。

「いかないの?パパ?」

「ごめんごめん。行こうか」

そういいながらヴィヴィオの手を握ると、ヴィヴィオはにぱっと笑う。

「うんっ!」

エレベーターで俺の部屋のあるフロアまで上がり、廊下を進んで部屋に入ると、
少しがらんとした俺の部屋が目に入る。
特に今回の引越しにあわせて整理したわけではないのだが、
リビング以外の2部屋のうち1部屋はまったく使っていなかったので、
その空き部屋をなのはとヴィヴィオの寝室にすることにして
そのためのベッドなんかはなのはと家具屋に出かけて事前に購入してある。

「へぇ・・・ここがゲオルグくんの家かぁ・・・。なんか殺風景だね」

俺の後に続いて部屋に入ってきたなのはがきょろきょろしながら
俺のほうに向かってくる。

「しょうがないだろ。ほとんど住んでないんだから」

なのはに向かってそう言ったところで呼び鈴が鳴る。

「たぶん家具が届いたんだな。俺が出るよ」



それから夕方までかかって荷物の整理なんかを済ませた俺たち3人は、
マンションの近くにあるレストランに向かって並んで歩いていた。

「ほんとによかったの?簡単なものなら作れたのに・・・」

部屋を出てから何度目かのなのはの同じセリフに俺はさすがにため息をつく。

「なのはもしつこいな・・・。お前だって今日は疲れてるんだから、
 おとなしく外食で納得しとけって」

そういうのだがなのはは不服そうな表情で俺を見る。

「でも・・・」

「なのはの手料理はこれから毎日でも食べさせてもらうからさ。
 今日くらいはゆっくりしろよ」

俺がそう言うとようやくなのはも納得したのか、黙ってうなずいてみせた。

「ねえ、パパ」

俺の手をくいっと引っ張りながらヴィヴィオが声をかけてくる。

「どうした?」

「これから何を食べに行くの?」

「だいたい何でも食べられるよ。今向かってるのはファミレスだからな」

「ふぁみれす?」

ヴィヴィオはこくんと首を
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