第二章
[8]前話
群馬で働いていった、そして二年経って東京本社に課長として戻ったがすぐにこんなことを言った。
「群馬が懐かしいな」
「おい、あの時は嫌がってただろ」
上司が課長となった彼に言ってきた。
「それでそう言うのか」
「だって平和でマンションもよくて結構快適で」
大蔵は部長になっている上司に答えた。
「しかも物価安いんですよ」
「東京は高いよな」
部長も言うことだった。
「確かにな」
「そのことを思えば」
「群馬が懐かしいか」
「ええ、快適でしたから」
「そうなんだな」
「行く時は確かに嫌でした」
大蔵自身このことは認めた。
「ですが」
「いざ暮らしてみるとか」
「よかったですよ」
「そうか。俺も実は北海道に行ったことがあるけれどな」
部長は自分のことも話した。
「最初は嫌だったさ、けれど行ってみると」
「よかったんですね」
「住めば都だよ、というかそこのよさに気付いたらな」
そうすればというのだ。
「もうそれで勝ちだな」
「幸せですね」
「そういうことだな、それで東京に戻ったらな」
それならとだ、大蔵に言うのだった。
「東京のよさをだよ」
「見てですね」
「楽しもうな」
「そうすればいいですね」
「ああ、東京には東京のよさがあるだろ」
「東京生まれの東京育ちですから」
笑みを浮かべてだ、大蔵は部長に答えた。
「知ってます」
「じゃあその知ってるよさをな」
「楽しむことですね」
「そうするんだ、いいな」
「わかりました」
笑顔で頷いてだった。
大蔵は東京に戻っても頑張った、そしてやがて家庭を持ち楽しく暮らしていった。東京のよさを満喫しながらそうしていった。
田舎の物価 完
2024・2・20
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