第一章
[2]次話
田舎の物価
東京生まれの東京育ちの大蔵義重は群馬に転勤と聞いてがっくりとなった、そのうえでこう言った。
「ずっと東京にいたかったのに」
「何言ってる、課長になって給料も上がるんだぞ」
上司はその大蔵に言った、細面ですっきりした顔立ちで髪型もセットして長身ですらりとした如何にも都会の人間の彼に。
「しかも東京にもすぐにな」
「戻れますね」
「休日はな、また戻れるぞ」
「この東京の本社に」
「だからな」
「ここはですね」
「群馬支社に行って来い、仕事だしな」
「わかりました」
がっくりと肩を落としてだ。
大蔵は都落ちの様に群馬支社に赴いた、確かに給料は上がって係長だった彼は課長になった。しかも本社に戻っても課長とのことだった。
会社に入るとだ、これが。
「あれっ、本社よりずっと楽だぞ」
「人口違いますからね」
「東京はやっぱり忙しいですよ」
「人の数が違いますから」
「世界屈指の大都市ですしね」
「うちは平時で帰られるけれど」
ホワイト企業だからだ。
「けれどその仕事中が大変だったのに」
「群馬って穏やかですから」
「東京から比べるとずっと」
「ここはこうですよ」
「平和ですよ」
「そうなんだね」
大蔵はまずこのことに気付いた、そしてだった。
社員寮になっているマンションは東京のものより広く家賃も安かった、そして快適で物価もであった。
「いや、安いね」
「というか東京が高過ぎますよ」
「あそこ地価が違いますから」
「東京の物価有名ですしね」
「高いって」
「それもないしね。しかも結構コンビニとかショッピングモールもあるし」
そうした便利な場所もというのだ。
「確かに東京に近いしジムとかもあるし」
「結構いいですよね」
「群馬も」
「そうですよね」
「うん、住んでみるとね」
まさにとだ、大倉は支社の人達に頷いてだった。
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