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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第91話 霧のロレント
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「アガットさん、私は眼鏡似合ってますか?」
「お前はもともと賢いだろうが」
「あう、そうじゃなくて……」


 ティータがアガットに眼鏡が似合ってるかと聞くがアガットは知的に見えるかと聞かれたと勘違いしたようでティータが苦い顔をする。


「アガット君、ティータ君は眼鏡をかけた自分を知的に見えるかじゃなくて似合ってるか聞いてるんだよ」
「そうなのか?まあ似合ってるぞ」
「ッ!……えへへ」


 オリビエのフォローでアガットがティータにそう言うと彼女は嬉しそうに笑った。


「リィン、わたしは眼鏡似合ってる?」
「ああ、大人のレディみたいな雰囲気を感じるな。似合ってるよ」
「ありがとう。リィンもかっこいいよ」


 リィンはすんなりとわたしを褒めてくれた。これが付き合う前ならアガットみたいな勘違いをしていたかもね。


「でも皆さん気を付けてください。この霧から魔力を感じます」
「つまりエマみたいに魔法に精通してる奴が霧を生み出してるって事?」
「少なくとも魔術に詳しいのは確かだと思います。魔獣が暴走してるのも霧に中に含まれる魔力に刺激されているからだと思いますので」


 エマは霧から魔力を感じるので気を付けてと話す。エステルはこの霧を発生させたのは魔法が使える人かと聞くとエマは可能性はあると答えた。


 もしこれが自然発生じゃなくて結社の仕業なら今度の相手は魔法を使える相手なのかもしれない、用心していこう。


 そう思いながらわたし達は霧に包まれた街道を進んでいくのだった。


―――――――――

――――――

―――


 襲ってくる魔獣を撃退しながら慎重に霧の中を進んでいきわたし達は無事にロレントにたどり着くことが出来た。


「は〜、やっと着いたわね。見慣れた道も霧のせいで迷いそうになるし疲れたわ」
「ほらしっかりしなさい。まずはアイナに話を聞きに行くわよ」


 エステルが溜息を吐いて疲れたというとシェラザードは手を叩きながらギルドに向かうと話す。


「……」
「リィン?どうかした?」
「いやなんでもないよ」


 リィンが一瞬考え事をしていたような気がしたので声をかけたけどなんでもないと言われた。わたしはなんか変だなと思ったけど今は流すことにした。


「ん?おお、エステルじゃないか!」
「レトラさん、ただいま!」


 すると近くを通りかかった町の住民がエステルを見て声をかけてきた。


「帰ってきていたのか!立派になったなぁ」
「やめてよ、恥ずかしいじゃない!」
「いやいやすまんな。お前やヨシュアの事はカシウスさんから聞いていたから町の皆全員が心配していたんだ。元気な姿を見て安心したよ」
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