第10話
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「あはは、そりゃあ一見、普通の恰好はしてたけどさ。この村って幾つかの国境も近いし、結構その手の人が立ち寄るんだよね。どの国のヒトも弁えていてミラ払いもいいから文句はないし。」
「そ、そうなんですか……」
「警察の駐在所もあるし遊撃士なんかも定期的に立ち寄る。その意味でも、猟兵たちの間じゃ暗黙の休戦地帯になってるんだろう。」
娘の話を聞いて一般人が猟兵を客として受けている事実に戸惑っている様子のアニエスにヴァンがクレイユ村と猟兵の関係について説明をした。
「そ、それでその……10日後に立ち寄った人達の中に女の人はいませんでしたっ……!?」
「ああ、いたよ――――――というかその人がリーダーっぽかったけど。緑がかった黒髪を後ろで括ったカッコイイお姉さんだったな。」
「間違いありません、アイーダさんです……!」
「そうですか……」
「……それで、その連中は?この宿に何泊してどちらへ出発したとかわかるかい?」
有力な情報にフェリが血相を変えている中アニエスは安堵の表情を浮かべ、ヴァンは真剣な表情で訊ねた。
「うーん、お客さんのプライバシーだけどそっちの子の知り合いみたいだしいいか。――――――泊まったのは一晩だけで翌朝早くに出発しちゃったかな。どこへとかは聞いてないけど、………でも、ちょっと妙なんだよね。」
「妙……?」
「何か気になることが?」
「うん、それがさ。3日前にも、そのリーダーっぽい女の人を村で見かけたんだよ。」
「……なんだと?」
「そ、それじゃあアイーダさん、まだこの村に滞在を……!?」
驚愕の情報を娘の口から語られるとヴァンは眉を顰め、フェリは信じられない表情で訊ねた。
「いや、それが夜だったから見間違いかもしれなくって……他の連れの人も見なかったからそこまで自信はないんだけど。……ゴメン、なんか無用に混乱させちゃったかもしれない。」
「いえいえ……―――――でもどういう事でしょう?」
「わからんが……とりあえず村で情報収集した方がよさそうだ。お嬢ちゃん、ありがとよ。後で甘いガレットも注文するぜ。」
「ふふ、毎度あり。なんだか訳アリみたいだけど折角だしクレイユ村、楽しんでいってね。」
そしてランチを終えたヴァン達は村を回ってアイーダ達についての情報収集を開始した――――――
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