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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第10話
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たいな屑がここに入ったら―――」
「解ってるよ。自分の恐怖心や罪悪感にやられちまう。だが、アバンの奴はもっと危ねぇ!相手は厄介な能力を持った化物だ。呪文の助けがいる!」
「だからこそ―――」
「俺の役目なんだよ!師匠との約束なんだ!」
口を滑らせてつい言ってしまったマトリフの台詞に驚くカノン。
そう。マトリフは師匠であるバルゴートに託されていたのだ。地上界を救う真の勇者やそれを支える英傑達を育て、真の勇者達と共に救世の道を歩む夢を。
そして、1周目(ぜんかい)はアバンと共にハドラー達と戦い、ポップを一人前の大魔道士に育て上げ、大魔王バーンとの戦いの縁の下の力持ちの役目を十分に果たしたのだ。
「父様が、アンタにそんな事を……アタシゃてっきり」
「ま、オレがクズなのは事実だけどよ。その後もデタラメな人生だったしよ!」
ここで動くのがお人好しなロカ。
「よっしゃ!話は解った!俺がアバンの所までおぶってやるよ!」
「あん?馬鹿野郎。おめえはどうすんだ?」
「俺に怖いもんなんかねぇから大丈夫だ!俺が怖いのは、自分がヘマする事だけだ!」
で、ロカとマトリフの2人でアバンを救助すべく逢魔窟に入ったが、
「あれ?何も出てこねぇ……やはり恐怖心が無い奴には効かないのか?」
「そんな馬鹿な事が……」
そう言いかけて……マトリフの背中が凍り付いた。
「不味い!キギロの奴、洞窟の邪気を吸収し始めたたんだ!急げ!」

逢魔窟の邪気を全て吸い尽くしたキギロは……巨大な蟹の様な化物へと豹変した。
「グハハハハハハハハ!この洞窟の邪気……ほとんどが魔族や魔物達由来の物だ。どこかが魔界と繋がってるのかもね?今のボクには最高の……ボーナスだぁーーーーー!」
しかも、ただ巨大化しただけではなく、素早さも倍増どころではなかった。
「先手必勝さ。また鋼鉄変化呪文(アストロン)とか使われると面倒だからな。グハハハハハハハハ!」
それに対して万事休すのアバン。
(いけない……前が見えない……しかも……剣が……)
「イタダキぃーーーーー!」
このままアバンに止めを刺そうとするキギロであったが、
極大爆裂呪文(イオナズン)!」
「ぐおぉー!?」
「アバン!」
ロカとマトリフが間に合ってくれたのだ。
「戦士くんと……大魔導士とか言う奴か!?」
とは言え、逢魔窟の全邪気を味方につけたキギロに一般的な技が通用する訳が無い。なら、
(とは言え……あれ程膨大な邪気を素通りする攻撃は、やっぱアバンの空裂斬しかねぇか!?)
「アバーン!其処の杖を使え!師匠の杖は、全部仕込み杖だ!」
「それがどうした?……このビンビンのどす黒い邪気のガードをさぁ!そんなズタボロな状態で貫けるなら!」
「たとえ何度剣を折られ様と、私の心はまだ折れてはいない!心の
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