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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
夕餉と会議
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戦闘で限界を感じたことはある。それは何度もギルド内でも話し合ったんだ。・・・・でも、どうしても近距離でモンスターと剣を交える恐怖が消えなくて・・・・・」

サチが最後は消え入るような声で返す。

気持ちは分からなくもない。
この世界ではモンスターのグラフィックのリアリティが高すぎて、間近に見るモンスターはホラー映像も笑えるほどに怖い。
元から気弱そうなサチが、今まで遠くから槍で突いていた状況から急に前衛で戦え、などと言われて足が竦むのも理解できる。
キリトもワーム系のモンスターを見ると気持ち悪くて怖気が走ってしまう。

「他の誰かが代わりに前衛に転向は出来ないのか?」

アスカとサチの間に割って入ったキリトの問いにはケイタが答える。

「それは難しいかな。僕とササマルのスキル熟練度は500を超えてるし、ダッカーはシーフとして〈索敵スキル〉とか〈解錠スキル〉を取ってるから今から片手剣士に変えるとスキルスロット数が足りなくなる。それにサチはキリトが少しの間だけ付き合って練習してたときの〈片手剣スキル〉を残したままだから、すぐに実戦で使い物になるんだ」

ケイタの説明を受けてキリトとアスカは同時に首を捻る。
ケイタが言っていることはシステム的数値観点から見たら合理的で正しいのだが、だからといってサチの意志を切り捨てるわけにはいかない。
前衛に加わることで危険を背負うとことになるのはサチ本人なのだから、彼女が戦う決意をしなければ始まらない。
キリトは視線をケイタからアスカに移しながら訊ねる。

「どうする?」
「明日のボス戦は個々のパーティーの強さより全体での連携が重要になるから、前衛3人でも俺とキリトがいたら問題ないはずだ」
「まあなー。偵察隊の話ならタンクじゃなくても攻撃防げるんだろ?」
「ああ。前足の攻撃と水弾は鈍いし、プレモーションも分かりやすい。ステップ回避だけで十分だ。頭への攻撃も俺がなんとかする」
「流石は〈閃光〉アスカ殿。頼りにしときます」
「・・・・お前にも手伝って貰うからな、〈黒の剣士〉キリトさん」

アスカからの返しにうっと唸るキリト。
〈黒の剣士〉などとキリト本人としては不本意なあだ名を頂戴されたのは随分と前だ。
別に性別を隠すために黒色の服を着ているだけなのだが・・・・。

「あのー俺はどうしたらいいっすかね?」

そーっと手を挙げて質問してきたのはキリトとアスカと同じく前衛を担当するテツオ。

「テツオの武器はメイスだから、わたしとアスカがブレイクして硬直したボスへの攻撃に専念して。メイスじゃクリティカルポイントが異常に狭い箇所への攻撃は厳しいはずだから」
「了解っす」
「じゃあ、これ以上話し合っても進展なさそうだし、一旦解散する? サチが前衛でも後衛でも問題ないな
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