アインクラッド編
夕餉と会議
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らしい)を頂きながら、ようやく話し合いが始まる。
まあ、先ほどから会議や話し合いなどと言っているが、別にそこまで大層な話をするつもりはキリトにも、そして恐らくアスカにも無いだろう。
「サチさん、どうしますか?」
「私は・・・・・・・・・・・・・」
アスカの問いにサチは黙ったままだ。まだ決断できていないのだろう。
今から決めないと行けないことはたった1つ。
サチが槍使いとして後衛、あるいは片手剣士として前衛のどちらに加わるのかと言うことだけだ。
さっき省略したパーティー編成の時に生じた問題というのは、〈月夜の黒猫団〉のビルド構成のことだ。
〈月夜の黒猫団〉の5人はバランスが悪い。
前衛を担当できるのは盾とメイスを装備したテツオだけ。
他の4人はシーフであるダッカーの短刀を除けば両手棍、長槍と中、遠距離用武器だ。
テツオがHPを回復するためにスイッチしようとしても、代わりに前衛を出来るプレイヤーがいないので、ずるずると後退するしかない。
キリトが初めて下層の迷宮区で〈月夜の黒猫団〉と出会った時と変っていない。
短い期間だけキリトはサチの片手剣の練習に付き合ったが、その後続けていた訳ではないらしい。
その原因を作ったのが自分であると思っているキリトはズキリ、と胸が痛む。
更に、唯一前線で攻撃担当しているテツオのメイスでは、第40層ボスの亀の顔を的確に狙い撃つのは至難の業だろう。
メイスは重量武器で、技の正確さよりも威力重視の武器だ。
それらの条件から、〈月夜の黒猫団〉には前衛を担当できるダメージディーラーの中でもボスの頭部に的確に攻撃を放てる人材となったわけだが、ボス攻略会議が終了してからの参入だったので、既にダメージディーラーを担当しているプレイヤーは各パーティーに配属されているので、誰も新規ギルドに協力しようと手を挙げなかった。
そこで仕方なく、勝手のきくソロプレイヤーのキリトと、ボス戦の最高責任者のアスカが旧知の仲であることも考慮してパーティーに加わった。
言葉に詰まるサチにアスカは優しい言葉遣いで続ける。
「俺は明日のボス戦のことだけを考えるなら、無理してサチさんが前衛に加わる必要はないと思っています。前衛は俺とキリトとテツオさんだけでもなんとか回せます。でも、これからも攻略組としてレベリングをしていくつもりなら、今のパーティーのビルド構成は変えないと厳しいはずです」
アスカの言葉は辛辣だが、ボス戦のことだけでなく、今後彼らが攻略組として活動を続けるつもりならサチの片手剣士への転向は必須であることも事実。
つまり、この場しのぎで槍使いを選択しても、逃げ場が無くなる状況がいずれやって来る、ということだ。
「敬語を使わなくて良いよ。アスカの言うとおり、
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