第9話
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ピックアップトラックを俺なりにカスタムチェーンしててな。特にフロントと足回りを……」
「えっと……」
(たかが移動手段の道具に何故あんなに自慢げになるのでしょう、ヴァンは……)
「……?すごい車なんですねっ……!」
自慢げに車の事について語り始めたヴァンの様子にアニエスは苦笑しながら言葉を濁し、メイヴィスレインは呆れた表情を浮かべ、フェリは首を傾げた後無邪気な笑顔を浮かべ
「……いいもんいいもん。男のロマンが理解されなくたって。大体女っつーのは、車がマストのクセに車軸や馬力には見向きもしねぇしよ……」
二人の芳しくない反応にヴァンは肩を落として愚痴を呟き
「えっと、そういう女性だけじゃないとは思いますけど……(でも確かにどうでもいいけど……)」
「あの、カッコイイとは思いますっ!チェーン?はよくわかりませんけど……!」
ヴァンの様子を見たアニエスは冷や汗をかいて内心を隠しながら指摘し、フェリはヴァンに慰めの言葉をかけた。
「グッ……もういい、二人ともとっとと乗りやがれ!」
「――――――朝っぱらから何をグチグチ言ってやがる。」
そして気を取り直したヴァンが二人に車に乗るように指示したその時、ポーレットとユメを連れたモンマルトの店主――――――ビクトルがヴァンに声をかけた。
「あ、昨日御馳走になった……」
「おやっさん……ポーレットにユメも。」
「ひょ、ひょっとして見送りに来て下さったんですか……!?」
ビクトル達の登場にフェリとヴァンが目を丸くしている中、アニエスは驚きの表情を浮かべた。
「……むにゅ〜……そ〜だよアニエスちゃあん……フェリちゃんも……アニエスちゃんの中にいるメイちゃんも……ヴァンはついでに〜……」
「あ……」
「ってオイ。」
(…………”メイちゃん”………まあ、幼い子供が私の若干長い名前を覚えるのは厳しいでしょうが……まさか、この私が”ちゃん”付けで呼ばれる日が来るとは……)
早朝の見送りの為まだ眠そうな様子で呟いたユメの言葉にフェリは呆け、”ついで”扱いされたヴァンはジト目で指摘し、メイヴィスレインは冷や汗をかいた後静かな表情で呟いた。
「ふふっ、それとこれ、持って行ってちょうだい。サンドイッチにミルクにコーヒー。モーニング代わりにどうぞ。」
「ハハ、そいつはすまねぇな。」
「あ、ありがとうございます!わざわざこんな――――――」
「え、えと……その、御馳走になりますっ……!昨日もお世話になって……なんてお礼を言ったらいいか。」
ポーレットにモーニング代わりの弁当を受け取ったヴァン達はそれぞれ感謝の言葉を口にした。
「ふふ、いいのよ。お客さんをもてなすのは当然
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