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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第89話 王と闘神の息子たち
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ビンさんを見てどうしてこの場に二人がいるのか理解した。


 ロレントで調査していたシェラザードさんは特務隊の動きを掴んだらしくその道中でケビンさんと偶然会い協力関係を築いたみたいなんだ。


 ケビンさんが只の神父ではないことは既に知っていたので彼がいる事にそこまで驚きはない。


 カシウスさんがこの場にいるのはリシャール大佐を連れてきたかららしい。暴走するカノーネ大尉を説得するには彼しかいないと判断したらしい。


 リシャール大佐に説得された彼女は漸く観念したようでその場で拘束されたみたいだ。


 俺はカシウスさんの元に向かう、こうして会うのは久しぶりだな。


「カシウスさん、お久しぶりです」
「おお、リィンか。久しぶりだな」


 俺はカシウスさんと握手を交わす。


「話は聞いているぞ、エステルの力になってくれているみたいだな。本当に感謝している」
「俺達が好きでやっていることですので。軍の様子はどうですか?」
「まだまだ立て直しに時間がかかりそうだ、俺もまだ自由に動けそうにない。君たちには迷惑をかけてしまうな」
「気にしないでください、国を守る軍隊が機能しなければリベールが危険なんですから」
「ありがとう」


 どうやら軍の立て直しにはまだ時間がかかるみたいだ。カシウスさんが自由になればかなり助かるのだがそんな簡単に立て直せるものじゃないからこればかりは仕方ないよな。


「リィン、久しぶり。元気そうで何よりだわ」
「シェラザードさん、お久しぶりです。ケビンさんも幽霊事件以来ですね」
「こんなに早く再開できるとは思っとらんかったわ」


 今度はシェラザードさんとケビンさんに声をかけた。


「あんた達知り合いだったのね、うっすらと話は聞いていたけど相変わらず厄介ごとに巻き込まれやすいみたいね」
「あはは……」


 シェラザードさんに苦笑されながらそう言われて俺は愛想笑いを浮かべる。自分で首を突っ込んでいるから文句は言えないんだよな……


「少しいいかな?」
「貴方は……」


 すると俺に声をかけてきた人物がいた、それは……


「リシャール大佐?」
「初めまして……かな?実際は一度ボースで会ってはいるがこうして直接会話をしたのは初めてだからね。私はリシャール、元リベール軍の大佐だ」


 なんとリシャール大佐だったんだ。でもどうして俺に声をかけてきたんだろうか?


「リィン・クラウゼルです。ご丁寧にありがとうございます」
「君の事はカシウスさんから聞いている、前のクーデター事件でもエステル君達と共に解決に導いてくれたと」


 リシャール大佐はそう言って俺に頭を下げた。


「本当にありが
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