第五話 忠の世界その三
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「二人では私の相手にはならないわ」
「くっ、やはりそうか」
「二人だけではか」
「そして」
「そして?」
「今度は何だって言うんだ?」
「私の相手にならなければ」
それではだ。どうかともいうのだ。
「天草様の相手はできないわね」
「天草!?」
「というとまさか」
その名を聞いてだ。二人はすぐにだ。
ある者の名を思い出した。その者こそは。
「天草四郎のことか!?」
「島原の乱の」
「知っているのね。そうよ」
その通りだとだ。女も返す。
「この柳生義仙の主であるあの方の相手はできないわね」
「天草、あちらの世界の天草なのか」
「この女の世界の」
「その通り。この世界の天草様と私達の世界の天草様は違うわ」
実際にそうだとだ。女、義仙も答える。
「その天草様には遥かに及ばないわ」
「くっ、僕達ではか」
「二人だけでは」
「ええ。ただ二人ではなくなるわね」
ここでだ。義仙がこう言うとだ。
後ろからバイクが一台来た。そこからだ。
まずは明日夢と桐矢が降りて来てだ。二人に言ってきた。
「お待たせしました!」
「すいません、遅れました」
「ああ、あきらが呼んでくれたんだ」
威吹鬼は二人の姿を見てすぐに察した。
「有り難いね。それで響鬼さんも」
「よっ」
左手を敬礼の様にしてびしっと前にやってだ。響鬼はバイクから降りてから二人に挨拶をしてきた。
「頑張ってくれてるな」
「はい、何とか」
「生きてます」
「で、あきらは?」
響鬼は周囲を見回しながら彼女の姿を探した。
「何処にいるんだ?」
「あれっ、さっきまでいたんですけれど」
「何処に行ったかな」
「すいません、大丈夫ですか?」
威吹鬼と轟鬼が言ってからだ。すぐにだった。
そのあきらが出て来てだ。頭を下げて来た。
「実はおトイレに行っていまして」
「そうか。それなら仕方ないな」
威吹鬼はそれで納得した。
「まあとにかく。今は」
「はい、今はですね」
「響鬼さんが来てくれたから」
それでだというのだった。そうしてだ。
響鬼の変身も終わりだ。三人でだ。
義仙と対峙する。そのうえでだ。
響鬼はだ。明日夢に言った。
「じゃあ明日夢はな」
「はい、天美さんとですね」
「ちょっと安全なところにいてくれ」
戦えない彼はそうしろというのだ。
「危ないからな」
「わかりました。それじゃあ」
「じゃあ俺も」
桐矢もだ。変身してだった。
そのうえで義仙に対峙する。これで四人だった。
四人はもうそれぞれの楽器を手にしている。武装しながらだ。
響鬼は義仙の正面にいながらだ。三人に告げた。
「じゃあ俺が正面から攻めるか」
「それではですね」
「俺達は」
「ああ、横から頼
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