第二章
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「あの時バウアーさんが先発で」
「晒し投げの時まだ投げててな」
「それで打たれるのずっと見ていて」
「それも真面目なお顔でね」
「試合の後でコメントしたわね」
「そう、エールを送ったから」
打たれた相手チームのピッチャーにというのだ。
「素晴らしかったわ、だからね」
「是非か」
「残って欲しいのね」
「そして来年も頑張って欲しい」
「そう思ってるのね」
「そうなのよ」
こう話した。
「だから祈願してね」
「願かけの字書いてか」
「それで飾ってるのね」
「そうしてるのね」
「お店のカウンターに」
「そうよ、メジャーに戻られたら」
明日夢は切実な顔で言った。
「諦めるしかないけれどね、それか」
「ああ、言われてるよな」
「日本に残ってもね」
「あの人への年俸の問題で」
「それでね」
「伊達にサイ＝ヤング賞じゃないわ」
この賞を獲得した訳ではないというのだ。
「本当にね」
「その分年俸高いよな」
「去年はあっちが立て替えてくれてたけれど」
「若し今年残留してくれたとしても」
「そこが問題ね」
「お金は切実だから」
明日夢は現実も話した。
「だからね」
「そこが問題だよな」
「何かメジャーに戻れないって噂だけれど」
「あっちのコミッショナーさんに問題点と改善点言ったのよね」
「メジャーの」
「それで戻れないらしいけれど」
メジャーにはというのだ。
「けれどね」
「それでもだよな」
「確実じゃないし」
「バウアーさん自身は戻りたいっていうし」
「それならね」
「そのことも気になってるし」
現実としてというのだ。
「お金とね」
「本人さんの気持ちだよな」
「その二つが問題よね」
「果たしてどうなるか」
「その二つのことが」
「だから私も気になって」
そうした状況でというのだ。
「願かけもしてるのよ」
「メジャーに行かないで欲しい」
「ベイスターズに残るっていうか戻って欲しい」
「そう思ってるのね」
「物凄く強く」
「そうよ、そうしたら勝ってくれてね」
戦力としてというのだ。
「チームのモチベーションも上げて野球とは何かを見せてくれて」
「意識改革もしてくれるな」
「それも大きいわよね」
「そうなったら育成もよくなるし」
「モチベーションとか意識って大事だしね」
「本当に今年もベイスターズにいて欲しいわ」
明日夢はまたこうしたことを言った。
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