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色々と間違ってる異世界サムライ
第15話:勇者の計算外その3
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態はなんなんだ。
「ふんぐぐぐぐぐっ!……ふん?!」
こんな忙しい時に……腹が急にぎゅぎゅるしてきた!?
「遊んでいないで早くしろよセイン〜」
「そうそう、勇者の貴方が抜けないわけないのですから」
「でも、なんだか顔が真っ赤ね」
「……今は話しかけるな」
早く聖剣を抜いて即離脱しないと……全てが一気に飛び出して大惨事となる。
耐えろ。僕は歴史に名を刻む勇者だ。勇者である僕が漏らす訳にはいかない。
「なにしてんだよ。早くずばって抜けって」
「なにかおかしくないですか?セインの額に大量の汗が……」
「そうね。心なしか顔も青ざめてるようだし」
「っつ!?」
やばい……九割の力がお尻に持って行かれる。
「いいから早く抜けろおぉーーーーー!……おっ!?」
聖剣が抜ける事はなかったが、その代わりに大量の何かが抜け出ていった。
この瞬間だけは最高に気持ちが良い。
頭が真っ白になる。
ああああああああああああ……

月鍔ギンコperspective

フラウ殿の故郷に戻る道中、某達は聖武具の神殿へと訪れました。
事の発端は、某が脇差の研ぎが少々甘くなってきた事を悩んだ事でした。
「本当に宜しいのでしょうか?某達が聖剣を何本も持ち歩いて」
「解る!ツキツバさんのその気持ちは解りますよ!そのせいで勇者セイン様が聖剣を手に入れる事が出来なくなってしまったらと思うと!」
「良いじゃない。出来るなら聖剣を何本も持っても」
セツナ殿の言い分にフラウ殿が噛みつく。
「なによそれ!?それじゃあまるでツキツバ様が聖剣を抜けないみたいじゃない!」
「あくまで可能性の話だ。過去にも聖剣を抜けなかった奴が別の場所の聖剣を抜いたって話も聞くしな」
「セツナさん、それってどう言う事で?」
「あくまで可能性の話だ。こればかりは試してみないと―――」
某は、門の前の砂や泥を発見してある確信が生まれました。
「セツナ殿が言う試しは……お預けの様です」
神殿へと複数の足跡が続いていた。数は恐らく4人。
もしかしたらすでに聖武具は持ち去られた後かもしれない。
……なら、某達がする事はただ1つ。
「……往きましょう。フラウ殿の故郷へ」
それを聞いたセツナ殿が慌てておりました。
「ちょっと待て!奴らが聖剣を抜いた証拠は―――」
ですが、
「実際に聖剣を抜いた某だから解るのです。ノノ殿が言っている聖剣は……そこまで重くありません」
「……だから……」
「つまり、誰でも簡単に抜けるのです。そう、問題はこの神殿の神々しくて近寄りがたい威厳に屈さずにここまで辿り着けるか否か。そして聖剣を抜いて所持した後の行動の良し悪しです」
某の言葉にノノ殿とフラウ殿は困惑しておりますが、セツナ殿はそれなりに理解してくれた様です。
「……そうだな」

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