第二章
[8]前話
「小羽田さんですか」
「はい、そうです」
小羽田は微笑んで答えた。
「小羽田美咲です」
「あ、あの」
「ああ、あの写真ですね」
彼女の方から言ってきた。
「お見合いの」
「そうですが」
「あれ三年前の写真なんです」
実に明るい笑顔で言ってきた。
「私太いやすい体質でこの時怪我して趣味の水泳もジム通いも出来なかったんです」
「そうだったんですか」
「それでも食べる量は変わらなくて」
その為にというのだ。
「太ってたんです、ですが怪我が治って」
「そうしてですか」
「また水泳とジム通いしまして」
「痩せたんですか」
「そうなんです」
「そうですか」
「では今日は宜しくお願いしますね」
満面の笑顔で言ってだった。
小羽田は自分から小泉をお見合いの話をして進めていった、会って話をしてみると小羽田はとても明るく優しい性格で。
小泉はその性格を見てこの人と一緒にいたいと思った、そして小羽田も。
「またお会いしていいですか?」
「もう一度ですね」
「何度も。小泉さんはいい人ですね」
「そうですか?」
「私の太っていた時の写真を見てもお見合いを決めてくれましたし」
まずはこのことを話した。
「人を外見で判断されないですね」
「性格ですよね、大事なのは」
小泉は自分の考えをはっきりと述べた。
「やっぱり」
「そうお考えで」
そしてというのだ。
「お話してもとても誠実な方なのがわかりますし」
「だからですか」
「私も人を外見で判断しませんし」
小羽田自身もというのだ。
「ですから」
「これからもですか」
「小泉さんが宜しければ」
「こちらこそ」
これが小泉の返事だった、こうしてだった。
二人は交際する様になりそれから結婚に至った。上司は結婚した小泉に職場で笑顔で話した。
「幸せらしいね」
「はい、とても」
「人を外見で判断しないでね」
「性格を見てからっていうのはですね」
「いいんだよ、そうした人は幸せになるんだ」
「そうなんですね」
「うん、だからこれからも」
小泉に笑顔で言うのだった。
「その美徳を捨てないでくれよ」
「そうしていきます」
小泉は笑顔で応えた、そして実際に彼も妻も人を性格を見て接していった。そうして幸せな人生を共に歩んでいったのだった。
お見合いの写真と別人 完
2024・1・24
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