第一章
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子供を助ける母象
インドタミル=ナードゥ州のマナマライ=タイガー自然保護区のことである。
保護区の傍の村人達はその雄の子象を見て話し合っていた。
「朝からなのか」
「ああ、ずっとああしてな」
「一匹でいるんだ」
「子供なのにな」
「もう保護区の人に連絡したが」
「どうなるか」
象はインドでは愛されている生きものなので多くの村人が心配していた、だがここで小柄で若いはっきりとした顔立ちの女性が来てだった。
インドゥラ=マサカ保護区のスタッフと名乗った彼女は村人達に話した。
「あの子はすぐにです」
「保護してくれるか」
「そうしてくれるか」
「そうするんだな」
「はい、そして」
そのうえでとだ、マサカはさらに話した。
「母親は見付けましたし」
「もうですか」
「発見しましたか」
「ドローンで」
これを用いてというのだ。
「群れから離れて近くで必死にです」
「この子を探していますか」
「そうなんですね」
「そうしていますね」
「ですから保護しまして」
子象を見て話した。
「そしてです」
「そのうえで、ですか」
「母親のところに送りますか」
「そうしてくれますか」
「これから」
約束してだった。
マサカと保護区のスタッフ達はすぐにその子象を保護した、そして母親のところに送る直前にだった。
身体を洗って泥をかけた、それを見て村人達もわかった。
「ああ、匂いを消しますか」
「人間の匂いを」
「そうしますか」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「母親に警戒されない様にしまして」
「戻しますね」
「子象を」
「そうしますね」
「そうします」
実際にと答えてだった。
マサカとスタッフ達は子象を洗って泥をかけたうえで母親のところに送った、すると母子は嬉しそうに駆け寄り合って。
「パオン」
「パオン」
鼻を絡め合った、その上で一緒に群れに戻った。
後日群れに戻った二匹をドローンで確認すると。
「仲よく寝ていますね」
「はい、群れの中で」
マサカと男性スタッフはその様子を見て笑顔で話した。
「お昼寝をして」
「そうしていますね」
「よかったです」
「本当にそうですね」
「子供が戻って群れにも戻れて」
「今は群れの中で母子仲よく出来て」
こう話した、そしてだった。
後日マサカはチャトラ地区に出張に行った時にたまたま雌の子象が泥の穴に落ちている現場に動物保護の専門家だからと案内された、そこで現場を見せられたが。
母象が必死に子象を助けようとしている、だが。
「朝からですか」
「はい、もうです」
案内した人はマサカに深刻な顔で話した。
「ああしてです」
「母親が助けようとし
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