第一章
[2]次話
傷付き心を閉ざした犬達が
その犬を見てだった。
施設のスタッフランディ=メッセンジャー多側で髭のある顔の青い目の青年は深刻な顔で先輩に話した。
「この子は」
「酷いよな」
「ええ、闘犬の組織で」
「ずっと酷い目に遭っていたんだよ」
アフリカ系のスキンヘッドの先輩、トーマス=オマリーは苦い顔で答えた。
「それでだよ」
「うちに保護されたんですね」
「そうだけれどな」
それでもという口調でだ、オマリーはメッセンジャーに言った。
「この通りだ」
「怯えきっていて」
「そしてな」
「喋られなくなったんですね」
「失語症にだ」
それにというのだ。
「なっている」
「そうですね」
「犬もなるからな」
失語症にとだ、オマリーは言った。
「心に傷を負えば」
「喋れなくなりますね」
「そこまで酷い目に遭ったということだ」
その茶色の垂れ耳の中型犬を見つつ話した。
「この子は」
「そういうことですね」
「それでな」
オマリーはさらに話した。
「俺達のやることはだ」
「この子をですね」
「幸せにすることだ」
「そうですね」
「いいか、トラウマは克服されてな」
そうなってというのだ。
「幸せになる為の試練なんだ」
「それに過ぎないですね」
「そうだ、だからな」
「幸せになってもらう為に」
「この子を幸せにするぞ」
こう言ってだった。
[2]次話
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