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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第9話
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潜む1番の恐怖はお前か?ハドラー!」
だが、ハドラーちゃんは襲ってこない。
「なに!?」
渦巻く邪気が攻撃力を持つ幻覚を生み出すと聞かされていたアバンにとっては意外な展開だった。
「ジニュアール1世」
ハドラーちゃんの口から意外な言葉が出た事に驚くアバン。
「恩知らずよのぉ……お前の祖父の予言がどれだけの命を救った事か……にも拘らず―――」
アバンは「やめろ!」と叫びたくなる衝動を必死に抑えながら無言で目の前のハドラーちゃんの形をした邪念の話を聴いた。
「お前の祖父は、強過ぎたが故に……孤独だった。そして、その孤独こそがお前の祖父を弱くした」
アバンの剣を握る手が無意識に強くなる。
「孤独は弱い。孤独は……つまらんぞ」
渦巻く邪気が次々と実体化してモンスター群を形成していく。
「数は力だ!数は孤独如きには絶対に届かん力の極致だ!」
改めて剣を構えるアバン。

ハドラーちゃんが破邪の洞窟地下27階へと続く階段を発見した……が、
「この階には……呪文を習得する場所が無かったな?1つ上の階ではあれだけ派手な場所が在ったと言うのに……」
流石に地下26階を隅から隅まで調べ尽くした訳ではないが、流石のハドラーちゃんだってあんなに派手な場所を見落とす程の馬鹿じゃない。
なら、考えられる事はたった1つ。
「破邪の洞窟が用意した新たなる呪文は、ここでネタ切れか?」
ここでハドラーちゃんは悩んだ。
このまま進むべきか?それとも、破邪の洞窟に見切りをつけて次の1手を探しに行くか?
「ぐるるぅ」
背後に迫る何かを感じてハドラーちゃんが振り返ると、2匹のベホマスライムを従えるスカイドラゴンである。
ハドラーちゃんは早速スカイドラゴンの頭頂部に肘打ちを見舞うが、ベホマスライムが回復呪文(ベホマ)を放つので、スカイドラゴンは直ぐに立ち上がる。
「……回復担当を敵に回すとこんなに厄介な物なのか?」
が、サババの再戦でのレイラの動きを思い出して視ると、
「いや、それも振る舞い次第だな。回復担当がちゃんと治療に徹すれば回復担当は脅威になるが、だとすると、アバン達はまだ未完成か?」
その時、ハドラーちゃんはウロド平原の戦いを思い出す。
長考するハドラーちゃんの背後から炎を吹きかけようとするスカイドラゴン。
が、ハドラーちゃんが1周目(ぜんかい)の時に見た皆既日食を思い出した途端、
「やめろアバァーーーーーン!」
ハドラーちゃんの右手に内蔵された覇者の剣が背後にいたドラゴンの頸を斬っていた。
「あ」
軽く驚くハドラーちゃんに反し、、2匹のベホマスライムは大慌て。
必死に回復呪文(ベホマ)を放つも、既に回復呪文(ベホマ)が許容するダメージを大幅に超えていたスカイドラゴンには通用せず、スカイドラゴンは為す術無く息を引き取っ
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