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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第9話
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ちゃんの貫禄に酔っていた。

一方、破邪の洞窟の出入り口では、
「へー、入らないんだぁー」
「見た目に反して、意外と冷静でクールだね」
ピロロやキルバーンの皮肉が飛ぶが、デスカールは気にしない。
「我が主ガルヴァスが取り付けた密約は、反逆者ハドラーが死亡した証拠の品を大魔王バーン様の許へ持ち帰る事……だと聞いておりますが?」
その言い方に、キルバーンが珍しくムカッときた。
「とことんクールだねぇ。僕は、そう言う冷静に全てを見通す輩を最も危険視するんだよ」
そんなキルバーンの遠回しな警告をデスカールは痛烈な一文で返してしまう。
「そうか、これが本で読んだ“同族嫌悪”というものか」
「ぬ!?貴様!?」
が、キルバーンは飛び掛かれなかった。
ピロロとキルバーンは、とある事情によりこれ以上大魔王バーンからの信頼を失う訳にはいかないのだ。
「なるほど……ガルヴァスは目的の為ならどんな卑怯もやってのける度胸を備えていると言う訳か……豪魔軍師を騙っていたのは伊達でも酔狂でもなかったと言う事か?」
「うわぁ。怖い怖い」
それでも動じないデスカール。
「それより、バーン様の許にお帰りにならなくても大丈夫ですかな?それとも、ここで行われる反逆者ハドラーの処刑を観戦……または協力して頂けるのですかな?」
「本当にムカつくよ君達は……だが、大魔王バーン様のお許しが無い以上、悲しかなこれ以上の手出しが出来ないのが残念だよ」
渋々去るキルバーン達であったが、
(ま、君達がここに何を仕込んだかは既に見抜いたがね。そして……その仕込みの弱点もね)

キルバーン達が去ったのを確認したデスカールは、一旦後退させておいたブレーガンとメネロを呼び戻した。
「何なんだいあの男は!人をおちょくり倒して!」
「だからこそ、お前達には一旦引いて貰ったのだ。さすれば、今回の待ち伏せ作戦は始まる前から終わっていたからな」
デスカールのこの言葉に悔しさをにじませるブレーガン。
「では何か?あのままあの男と戦ったら、作戦続行不可能な程のダメージを負うとでも!?」
その質問の答えは冷淡そのものだった。
「そうだ。少なくとも、こっちが無傷で済む内に終わるとは思えない」
それを聞いたブレーガンはあからさまに舌打ちをしたが、メネロは逆に安堵した。
「そう言う事なら、アンタのアドバイスに従って正解だった事にしてやるよ」
「メネロ!?お前までそんな事を言うのか!?」
「だって、私達の敵はアイツじゃなくてハドラーでしょ?なら」
「チッ!」
そして、疲れたかの様に溜息を吐くデスカール。
(これでは先が思いやられるな)

そして、アバン達はマトリフの導きにより、伝説の大賢者バルゴートが築き上げた修業の都ギュータで鍛錬を積んでいた。
が、バルゴートの娘である
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