第51話 =最深部での戦=
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『舞うように』だそうだ。
「うぉぉぉぉぉっ!!!」
そして24撃目、恐らく両手剣スキルでは最速の速さであろう突きで通り抜けざまに一突き、ラスと25撃目今来た道を戻るように
さっきとは反対の剣である左のキャリバーンで一気に貫く!!
「……行けっ!キリト!」
「わかった!!」
俺の掛け声にキリトが安全エリアに向けてすさまじい勢いでダッシュする。一瞬の後、俺も硬直が切れてキリトを追うように安
全エリアに向けて跳ぶ。
「…よし、いける……っ!?」
と、後ろを見たときには死神の姿は無かった。前から俺の名前を呼ぶ声がするがその姿は見えない。
なぜならその死神は俺の目の前にいて持っている鎌を振り下ろそうと天井近くまで上げているからだ。
「……マジか……」
死神はその鎌を威力無く振り下ろしてきた。それに対し今の俺は剣を抜いてはいるがあまりに突然のことだったため体が反応せずスピードを殺せない。
その速くもない鎌攻撃に対して俺が出来るのはキャリバーンとオータムリリィを交差しただけのあまりに甘い防御だけだった。
スピード云々の物理系の知識が取り入れられてるのか鎌に俺のスピードの分もプラスされて絶大な威力となってしまった。
「…ぐああぁぁ!!」
もちろん後ろに飛ばされてしまい、それと同時に剣を手から落とすというやってはならないことまでしてしまった。HPがすさま
じい勢いで減っていき空っぽ……になることは無く残り1ドットという極わずかだけ残った。
だが、すでに死神が次の攻撃をしようとニタリと笑っている。まるで「お前の運命は【死】以外にありえない」とでも言ってい
るかのように…
……やっべ…せっかく、かっこつけたのにな…このまま死ぬのかな…俺…もしそれが罪滅ぼしならいいかもな…ケイタやダッカ
ーたち《月夜の黒猫団》を見殺しにしてサチに悲しい思いをさせたんだ…。ユカにも心細い思いをさせちまったし……シリカや
リズにもいろいろと迷惑かけたしな……
目の前では「冥土の土産だ」といわんばかりに高く鎌を振りかぶっている。体はまるでソラが支配しているときみたいに俺の言
うこと聞かないし…
「…ソラ…動けるか…?」
『……悪い…お前のダメージもこっちまで来た…動けそうにない……』
絶体絶命ってやつか……最後の希望だったのにな……
「ユイちゃん!!」
「おい、ユイ!行くな!」
突然、キリトとアスナの悲痛な声がこの通路に中に響き渡る。その声に思わず驚いて安全エリア入り口の方を見るとユイがテク
テクと早走りでこちらに来ていた。
「……おい…ユイ!」
俺の警告にもユイは聞こうともせず俺と死神の間に立ちこういった…
「大丈夫だよ」と…
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