【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第10章】カナタとツバサ、帰郷後の一連の流れ。
【第8節】背景設定10: 古代ベルカの霊魂観と聖王教会の教義について。
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生の時」を迎えた霊魂が、間違って、そのように「脱ぎ捨てられた身魂」を(それが消滅する前に)素早くまとって生まれて来てしまうことがある』と考えられていました。
そのようにして生まれて来た赤子は、当然ながら、その「浄化された身魂」に残された「具体的な記憶や人格」の多くをそのままに継承してしまいます。
地球では、これを「前世の記憶を持った小児たち」などと呼んでいるようですが、古代ベルカ人は皆、『それは、ただ単に「転生時の事故」によって、別人の記憶を継承してしまっただけで、決して本人が自分自身の前世の記憶を保持している訳では無い』と考えていました。
成長するにつれて、そうした記憶も次第に失われてゆくのが、何よりの証拠です。
その身魂はすでに浄化されているので、自分の記憶に対しても「執着」がありません。だからこそ、その小児自身の経験によって記憶が容易に「上書き」され、故人の記憶は速やかに失われてゆくのです。】
また、「人間が地上世界で身体を失ってから、さらに恒星天で身魂を失うまでの間」のことを、言い換えれば「一度、地上世界で死んでから、さらに恒星天で『二度目の死』を迎えるまでの間」のことを、古代ベルカでは、一般に「星辰期」と呼んでいました。
そして、『個々人の「星辰期」の長さは、当然に個人差もあるが、普通は最大でも30年ほどで、また、30歳未満で早死にした人の場合、いくら長くても「享年」を超えることは無い』と考えられていました。
そのために、「30回忌」で故人の身魂を「祀り上げ」にする風習が、いつしかベルカ世界の〈中央大陸〉全土に広まっていったのです。
【これは、あえて悪い方に受け取るならば、『ベルカ世界では、特に戦乱の時代には、あまりにも多くの人々が日常的に死に過ぎていたので、その一人一人を長々と祀り続けるのは、遺族にとっても大変な負担だった。だから、せいぜい「親子の齢の差」ぐらいの年数で切り上げることにしたのだ』というだけのことだったのかも知れません。
古代ベルカでは、現実には、戦死者の多くが『正しく祀られることも無く、ただその場で空しく朽ちていった』のです。】
また、「星辰期」とは、『死者が自分の身魂から「罪や穢れ」を削ぎ落として行く過程』のことなので、そこから考えれば、当然ながら『罪や穢れに乏しい「善人」ほど、星辰期は短くなり、罪や穢れに満ちた「悪人」ほど、星辰期は長くなる』ということになります。
そのため、30回忌を超えて故人の身魂を祀り続けることは、『この故人は「並み外れた悪人」でした』と言っているのと同じことであり、貴賤(きせ
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