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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
暴走
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ァ・レーゲン』のAICがこれに当たる。どの国も試験運用段階で正式採用できてる国はほぼ無いに等しい。
 そして現在机上の空論のみで論じられているのがパッケージを必要としない万能機、どんな状況でもその身一つで全てに対応できるとされる最強を目指したIS。現在の技術ではEU、赤道連合、日本、IS大国と呼ばれるアメリカですら試作段階にも手を出せていない正に未来のIS。
 それが……その第4世代が『紅椿』?

「具体的には『白式』の『雪片弐型』に使用してるんだ。試しに突っ込んだだけだけどねー」

『え!?』

 その言葉に一夏さんも驚く。それの指す意味は『白式』も第4世代相当と言う意味と変わらないから。

「まあ? あそこまで上手く行くとは思ってなかったんだけどー、上手く行ったから『紅椿』の全身に採用してみたんだ。システム最大稼働時のスペックは倍率ドン更に倍!」

 束博士がおちゃらけて言うが全然笑えない。開いた口が塞がらないと言うのはこのことなんですか。
 何て滅茶苦茶……

「『白式』では攻撃だけだったけど『紅椿』の展開装甲は更に発展したものだから攻撃・防御・機動何でもあり! 第4世代の即時万能対応機(リアルタイム・マルチロール・アクトレス)ってやつだね。やってみたら案外出来ちゃったよさっすが私!」

 束博士の言葉が終わるとその場が静まり返った。全員が全員、顔を下に向けています。

「はにゃ? 何でみんなお通夜みたいな顔してるの? 変なのー」

 お通夜……日本で言うお葬式。それはそうでしょう。
 私も両親が開発局勤務だから分かります。研究に研究を重ねて、時間を、資源を、人材をありとあらゆるところから掻き集めて、やっと今第3世代の研究、試作機を作ってる段階。早くてもギリギリ正式採用にこぎつけるくらいです。
 数え切れない人が身体を壊すまで研究して、今あるものさえも犠牲にして、国さえも傾かせるほどの資金を投入して何とか維持しているISの開発。
 それがこの人には通じない。『試しにやってみた』、『上手く行ったから』、それで全て片付いてしまう。
 これでは私たちが、世界が……馬鹿みたいだ。会うまで分からなかったけどこれが『天災』の『天才』の本当の意味なんだと今更ながらに理解しました。

 ISが公表されたときと同じだ。世界はまた、この人1人に敗れたってことだから。

「束、言ったはずだぞ。やり過ぎるなと……」

「そうだっけ? ま、私は世代とかどーでもいいんだよねー。私が作ったものに他人が勝手に第何世代なんてつけてやってるだけだからさー。分かりやすいように私もそれに乗っかってるだけだし」

 最早どう驚けばいいのかも分からない。そんな私たちを尻目に束博士は悪そうな笑みを浮かべると織斑先生に向き直って話しか
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