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ソードアート・オンライン ーBind Heartー
はじめてのフロアボス
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でボスモンスター攻略、っていう展開にはなりませんよね?」

≪軍≫の連中が歩いて行った方を眺めていたトーヤが俺たちに首をかしげた。

「……まあ、あの人数でボスに挑むのは無茶がすぎるな。普通は偵察に偵察を重ねた上でボスの戦力と傾向を確認して、巨大パーティーを募って攻略するもんだ。だが、七十四層のボスはまだ誰も見たことがないんだよ」

ほうほう、と俺からのありがたいレクチャーをうなずきながら丁寧に聞いているトーヤ。まるで先生になったかのようだが、どうかんがえても俺の柄ではないので内心で苦笑する。

「さて、俺たちも急ごうぜ。中でかち合わせなきゃいいけど」

俺はアスナと密着した状況を名残惜しく思いながら立ち上がった。コートから出たアスナが寒そうに体をすくめる。

「もうすぐ冬だねぇ……。わたしも上着買おっかな。そういえば、トーヤ君はその格好で寒くないの?」

「え? その格好って、ちゃんとマフラーしてるじゃないですか」

ほら、とでも言いたげに襟に巻かれたマフラーの端をつまんでひらひらさせる。その表情は何か深いことを考えている風でもなく、無邪気なそれだ。
「そのむき出しの肩はどうなってんだよ」と言ってやりたいが、ここでツッコミを入れるとキリがなさそうなので早々に諦めることにした。
アスナも同じ心境だったのだろう。やや苦い顔で俺と目を合わせて来た。
無言で頭を左右に振ってやると、仕方なさそうに頷いたので、どうやら意図はちゃんと伝わったようだった。

「え……な、なんですか? 二人して、そんなかわいそうなものを見るかのような目をして……? ちょ、ちょっと、何で無言で先に行っちゃうんですか!? 待ってくださいよ〜!」

≪軍≫の連中の姿は見えない。すでに内部にいるのだろう。
後ろから追いかけてくる足音を聞きながら、俺たち二人はようやく近づいて来た迷宮区の入り口を目指した。









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現在地は、七十四層迷宮区の最上部近く、左右に立ち並んだ長い回廊の中間地点。
まさに今、戦闘の真っ最中である。

「ふるるるぐるるるう!」

異様な雄叫びとともに、身長二メートルをも超える巨大な骸骨の剣士ーー≪デモニッシュ・サーバント≫が右手に持つ長い直剣が青い残光を引きながら立て続けに打ち下ろされた。
俺が数歩下がった位置からハラハラしながら見守る中、それを前にしても、アスナは一歩も引かない。

片手直剣 四連続攻撃技 ≪バーチカル・スクエア≫

骸骨の剣から繰り出された剣技を、アスナは左右への華麗なステップでその攻撃全てを避けきってみせた。
四連撃最後の大振りをかわされたデモニッシュ・サーバントが、
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