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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第97話:シグナム2等空尉
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(ちっ・・・)

俺は心の中で舌打ちすると、後ろに飛んでシグナムとの距離をあける。
そしてモードリリースするとシグナムの方を睨みつけた。
俺の行動に面食らったのかシグナムは目を丸くして俺を見つめていた。
そんなシグナムに向かって俺は声をかける。

「なんだよ、その腑抜けた攻撃は。真面目にやれ!」

「・・・私は真面目にやっている」

無表情にそう言ったシグナムに向かって俺は強い目線を向け続ける。

「は!?んなわけないだろ。お前が本気なら俺が正面からお前の
 攻撃を受け止めきれるわけねえよ。
 お前は俺の事なめてんのか?烈火の将が聞いてあきれるぜ。
 こんなのやってられるかよ。やめだ!やめやめ!!」

俺はことさら強い口調でそう言うと肩をすくめ首を振りながら
シグナムに背を向けた。
次の瞬間、背後からザッという地面を蹴る音が聞こえ、
俺はレーベンを緊急起動して振りかえり、
襲いかかってくるであろう斬撃に備えた。

「・・・撤回しろ」

俺の目の前には鬼の形相で俺に切りかかろうとするシグナムの顔があった。

「何をだ?」

そう尋ねる間にもシグナムはレヴァンテインに込める力を強めてくる。
俺はじりじりと後ろに押し下げられていく。

「私を侮辱したことをだ」

シグナムは俺を押しつぶさんばかりにレヴァンテインを
俺に向かって押しつけてくる。
受け止めたレーベンに込める力を少しでも緩めようものなら
そのままレヴァンテインに切り捨てられそうな危うい
力のバランスを保ちながら、俺はシグナムを睨みつける。

「なら力づくでやれや」

俺がそう言うと、シグナムは少しの間目を閉じてから、キッと目を見開いた。

「・・・よかろう。後悔させてやる」



・・・30分後。
俺は力を使い果たして訓練スペースの地面に横たわっていた。
空を見ると、もう日は沈んでちらほらと星が見え始めていた。
カツカツという足音が近づいてくるのに気が付き、そちらを見るとシグナムが
ゆっくりと歩いてくるのが見えた。

「・・・まいった。やっぱりシグナムには勝てないな」

俺がそう言うとシグナムは俺を見下ろす位置に立った。

「お前に負けてなどいられん。烈火の将としてはな」

そう言ってシグナムは仰向けに寝転がる俺のそばに腰を下ろした。

「ところで、なぜ急に私と模擬戦をやろうなどと言い出したのだ。
 暇でもあるまいに。
 しかも、わざとらしく私を挑発までして」

俺の隣に座ったシグナムは俺の方に目を向けながらそう問いかける。

「なんでそんなことを聞くんだ?」

「お前らしくない行動だからな」

逆に俺が問いかけると、シグナムは俺から目をそらすことなく
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