七十九 人柱力VSペイン六道
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は知っていた。
随分な間を置いてから、大蛇丸は苦虫を?み潰したような顔で、やがて溜息をついた。
それは諦めと、承諾の嘆息だった。
「────わかったわよ」
「まっ、待って…!かみ…いや、な、ナルト様…!?」
ナルトと再会して流した感動の涙が、焦燥と絶望に変わる。
愕然とした面持ちで、勝手に自分の処遇を決められたアマルは、ナルトへ反論した。
「様はよせ」というナルトの声すら耳に届かなかったのか、焦燥感に満ちた表情で彼女は乞う。
「お、オレもあなたと一緒に…!」
「それはできない」
即座に否定され、顔色を喜色から一気に絶望に染めたアマルに対し、しかしながらナルトは心動かされなかった。
「君は医療者として優秀だ。だが忍びではない」
「ならオレも忍者に…っ」
「そう易々と忍びになれると思っているのか」
ナルトの強い語気に、アマルはすぐさま反応できなかった。
それが彼女の迷いを露わにしていた。
なんせアマル自身が今まで、医療忍者ではなく、あくまでも医者だと名乗っていたのだから。
医者の端くれだと言って医療忍者とは頑なに言わなかった己自身を否定できずにアマルは押し黙る。
ナルトは忍び以外の人間を傍に置くつもりなど毛頭なかった。
正直言って、足手まといに他ならない。
忍びである以上、ある程度の覚悟は持ち合わせてもらわなければ困る。
誰かを殺し、或いは己が死ぬ覚悟。
忍びでない以上、アマルにそういう覚悟が足りないのは明白だ。
その覚悟がない者を傍に置くつもりは微塵も無い。
せっかく念願の『神サマとの再会』を果たしたのに、絶望の淵に沈んだアマルは、無意識に涙を流しながら、「どうして…」と唇を噛み締める。
悲壮感溢れる彼女に、流石に自来也や大蛇丸も同情めいた視線を向けた。沈黙に耐えられなくて、アマルは血反吐を吐くようにして再び、「どうして…!?」と叫ぶ。
涙ながらの訴えに折れたのか、ナルトは溜息をつくと、自来也と大蛇丸へ視線を向けた。
「すまないが、彼女と少し、話をさせてくれないか」
その言葉の響きには、アマルとふたりきりでいる間、この場で待機しろという意味が込められている。
アマルと話している間、この場所からすぐに立ち去るのを良しとしない傲慢な物言いだった。
一刻も早く木ノ葉の里へ向かい、ペインのことを報告したい自来也にとっては拷問にも等しい。
「そんなことが許されるとでも…ッ」
「自来也」
けれどすぐさま、大蛇丸に諫められる。
あの大蛇丸が異様に怯えているその様に自来也が動揺している間に、アマルがナルトの傍へ向かう姿が視界の端に過ぎった。
自分達から少しばかり離れた場所で会話しているであろう二人
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