七十九 人柱力VSペイン六道
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板を踏みつけて、ペイン天道は相変わらずの無表情で称賛した。
「だが彼女達は生きたまま尾獣を抜かねばならん。あとでゆっくり回収するとしよう」
(人柱力だと…!?つまり彼女達はナルと同じ…)
ペイン天道の発言からようやく、彼女達が波風ナルと同じ尾獣を封じられた存在である事実に、カカシは気づいた。
ユギトにまで“雷切”が届くかもしれないという一瞬の躊躇が勝敗を分けてしまった。
カカシのミスだ。
せっかくのチャンスを不意にしてしまった。
だから自分が今ここで死ぬのは仕方のないこと。
「だがおまえは別だ、はたけカカシ」
元は看板だった板に打ちつけられている釘。その一本がグラグラと勝手に板から引き抜かれる。
引き寄せた釘を手に、ペイン天道は満身創痍のカカシに狙いを定めた。
「この身体に傷をつけられたのは随分久しぶりだ、誇っていい」
かつて、ナルトによって受けた傷よりずっと些細なモノだが、それでもここ数年は天道に傷ひとつつけられた猛者はいなかった。
故の称賛。
「その誇りと共に、散れ」
カカシの額目掛けて投擲された鋭利な釘。
標的をカカシに定めたソレが風を切った。
「その借りを、今ここで返してもらおう」
思いもよらない言葉に、大蛇丸は眼を瞬かせた。
確かに返すとは言ったが、今、此処で?
困惑めいた表情でナルトを見上げた大蛇丸は、彼の望みに益々動揺した。
「大蛇丸。おまえにはアマルを木ノ葉へ連れ帰り、彼女の居場所をつくってもらおう」
「……は…?」
眼を丸くする大蛇丸よりも遥かに狼狽したのは、アマルだ。
急なナルトの発言についていけず、口をぱくぱくと開閉させるアマルをよそに、ナルトは大蛇丸の返答を待っている。
ようやっと我に返った大蛇丸は、自嘲気味に嗤った。
「木ノ葉の抜け忍である私が?この子を木ノ葉へ?冗談でしょ」
なによりあえて『連れ帰る』などという言い方をしたナルトの皮肉を鼻で嗤う。
木ノ葉を随分前に抜け、更に“木ノ葉崩し”の主犯たる己に、帰るだなんて、何の冗談だ。
「自来也のほうが適任じゃないかしら」
「俺はおまえに頼んでいる──大蛇丸」
ナルトの有無を言わさぬ強い語調に、大蛇丸はしばらく二の句が継げなかった。
あの時、三代目火影の封印術から逃れる為に、腕を代償にした。
けれども命とは引き換えにならない。故に命を救われた相手に強く出れない。
なによりナルトに逆らう意味を、大蛇丸
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