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渦巻く滄海 紅き空 【下】
七十九 人柱力VSペイン六道
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、と空を仰いだ天道の眼に、空を飛ぶ緑髪の少女の姿が飛び込んだ。


「な、に…!?」

前方から【雷切】を放つカカシにばかり気を取られていた。
そうだ、七尾の人柱力は尾獣の恩恵か、虫の翅で空を飛翔できるのだ。

(──ということは、)


視線を奔らせる。
鎖で左右から己の身体を拘束するユギトとフウを確認すると、そこには白煙が立ち込めていた。
予想通り、白煙が晴れたその先で、カカシが鎖を引っ張っている。


(【影分身】に変化させていたか…)

降り注ぐ鱗粉により頭上からのフウ本人の攻撃に気づけた天道は、まずは彼女からの攻撃を防ごうと咄嗟に【神羅天征】を放つ。
自由に空を飛ぶ翅を持っていようが、この術の前では意味を成さない。

吹き飛ばされたフウを視界の端に捉えつつ、すぐさまカカシの攻撃に対処しようと、倒れ伏せている修羅道に視線を投げる。
途端、ユギトによって胴体をミサイルで貫かれた修羅道がカカシと天道の間に割り込んだ。

「さっきの…!まだ動けたのか…っ」


驚愕するも、この機会を逃したらもう勝機はない。そのまま“雷切”で押し切ろうとするカカシ。
カカシの攻撃をフェイクに見せかけ、上空からのフウの攻撃に虚を突かれ、やはり本命であった【雷切】。

二段構えの攻撃に、ペイン天道は称賛と同時に、非情な現実を突きつけた。


「二段構えか…だがまだ甘い」


修羅道を盾にして、カカシの【雷切】を防ごうとした、その瞬間。


「だろうね。だから三段構えだよ」


刹那、背後から聞こえてきたユギトの声に、天道は振り返ろうとした。
だがガッシリと身体を背後から拘束され、身動きがとれない。


「決めろ、はたけカカシ…!」























既に修羅道は身体の前に割り込ませ、カカシの攻撃を防ぐ盾としている。
故に背後から拘束してくるユギト本人の接触を許してしまった。


つまり最初に地面から仕掛けてきたカカシの攻撃も。
ユギトとフウに変化したカカシの影分身の左右からの攻撃も
その際に地中に仕込んでおいた鎖で動きを取れなくさせたのも。
カカシに気を取られておきながら上空からのフウの攻撃を避けることも。
そしてカカシの攻撃が防がれるのを見越して、更に背後から拘束するのも。


全て計算の内だったというわけだ。

(俺が攻撃を避けるのを見越しての三段構えか…!)


修羅道の身体ごと貫かんとするカカシの“雷切”。
後ろから拘束してくるユギトを振り払おうとするも、まるで自らも“雷切”に貫かれても構わないとばかりにガッチリと雁字搦めにされ、避けようがない。


次の【神羅天征
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