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渦巻く滄海 紅き空 【下】
七十九 人柱力VSペイン六道
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ていた緑髪の少女が視線の先で吹き飛ばされる。
波風ナルとどことなく雰囲気が似ている緑髪の少女をカカシは慌てて抱き留めた。


「いたた…すまないッス」
「やはり奴には物理攻撃も忍術も通用しないか…」

先ほどのカカシの攻撃をも無効化したのだ。むしろペイン天道相手にひとりでよく持ち堪えたと言える。
フウが吹き飛ばされるや否や、ユギトはクナイを投擲した。

しかしながらそれらは、カカカッ、とむなしく地面に突き刺さる。
けれど、カカシはクナイを避けた天道の行動を見過ごさなかった。


すぐさま煙玉付きクナイを投げる。
天道の能力で弾かれたクナイはその衝撃で、逆に煙玉を発動させた。
白煙が立ち込める。

その隙に、ユギトとフウと共に物陰に隠れたカカシは、己の策を語った。

































「煙に紛れようが、この眼の前では無駄なこと…」

【輪廻眼】である紫の瞳で天道は相手の出方を窺う。

不意に、足許の地面が罅割れた。
地中から飛び出してきたカカシの攻撃が当たる寸前、天道の術が当然炸裂する。


「【神羅天征】」
「ぐぁ…!」

弾き返されたカカシが衝撃で吹き飛び、地面に勢いよく転がった。
起き上がる暇も与えぬまま、天道はカカシのすぐ眼前に迫る。


「なかなか良い動きをする…術も多彩だ」
「…それはどうも」

軽口を叩くカカシに構わず、天道は袖に隠し持っていた武器を振り上げた。

「お前のような奴は後々厄介になる。今の内に殺しておく」


刹那、左右同時に、ユギトとフウが凄まじい勢いで迫りくる。
カカシに気を取られている隙に攻撃を仕掛けようという魂胆か、と天道は手のひらを左右に掲げた。

「遅い──【神羅天征】」


吹き飛ぶ。
ユギトとフウが弾き飛ばされたのを確認するより前に、己の身体を縛り付ける鎖の存在に天道は気づいた。
ちょうど両腕を封じる形で縛り付けられた天道は、そこでようやくカカシの意図に気づく。


(はたけカカシ…地面からの攻撃前にこの鎖を地中へ仕込んでいたのか)


しかも連続で【神羅天征】を使った隙を狙ったということは、この術の弱点にも気づいているはず。

【神羅天征】は一度使うと再使用まで最低でも5秒のインターバルが発生する。
明らかにそのインターバル中を狙った攻撃。


やはり侮れんな、と感心するペイン天道の眼に映る視界が一瞬、ぼやけた。
しかしそれも一瞬で、しかしその一瞬がカカシに術を発動させる時間を与えてしまう。

【雷切】を発動させたカカシの攻撃を防ごうとした矢先、頭上から翅音が聞こえる。
ハッ
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