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渦巻く滄海 紅き空 【下】
七十九 人柱力VSペイン六道
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カカシの謝礼を背中で聞いて、ユギトはちらりと視線を背後に寄こした。
どうやらペインの能力を見極める為に影分身を駆使しており、カカシ本人は先ほどのペインの攻撃で崩れた後ろの瓦礫の下に潜んでいるようだ。
抜け目のないヤツだな、と内心感心しながら、ユギトは俊敏な動きでカカシの傍らへ跳躍した。


「手を貸す。その代わり、条件がある」
「……なんです?」
「此処で生き残れたら“暁”がただの犯罪組織じゃないという生きた証人になりな」
「…今まさに戦っているあのペインこそが暁なのでは?」
「そうだな」


支離滅裂な問答にカカシは眉間の皺を濃くする。
相手の疑問ももっともだ、と苦笑しながらそれでもユギトは頑なに言い張った。


「だが我々も“暁”なのでな。悪い不評ばかりでは居心地が悪いんだよ」
「…!?どういう、」
「話は終わりだ、来るよ」


強引に会話を切る。奇妙な姿形へと変貌を遂げたペインの一人。
顔が三つ・腕が六本、そして背中に鋭利な刃を生やした機械のような風貌のペインが仕掛けてきた攻撃をユギトは華麗に避けた。

回避すると同時にしなやかな動きで、刃の上へ飛び乗る。
ぎょっとするカカシと同じく、機械のような風貌であるペイン…修羅道もまた虚を突かれたようで、刃の上に立つユギトを振り落とそうとした。
だが逆に、まるで猫のような軽やかな動きで翻弄され、気が急いた修羅道は右腕の手首を掴んで引き抜く。
途端、セットされたミサイルが発射された。


「まったく次から次へと…ビックリ人間かい、アンタは」

【弾頭の火矢】と言われるミサイルに追われながら、ユギトはそれでも余裕綽々な表情で肩を竦める。
ミサイルでさえも追いつけない彼女の俊敏性に焦れて、修羅道が左腕を翳した。
【怪腕の火矢】たるロケットパンチがユギトへ向かって放たれる。

「危ない…!」


前方のロケットパンチ、後方のミサイル。
挟み撃ちにされたユギトに向かってカカシが叫ぶ。
ロケットパンチとミサイルが前からも後ろからもユギトの身体を串刺しにせんと迫りくる直前、ほんの僅かにユギトが身体をずらした。

驚異的な俊敏性で回避した彼女の頭上で、ロケットパンチとミサイルが直撃する。
ロケットパンチを破壊しても猶も動きを止めないミサイルは、主人であるペイン修羅道本人の胴体を貫いた。

「ば、かな…」

自らの兵器に貫かれ、倒れ伏した修羅道。
すぐに距離を取り、警戒を怠らないまま、ユギトは次いで、フウが相手にしているペイン天道へと鋭い眼光を向けた。


「一丁上がりだね。次はアンタの番だよ」
「なんてことだ…身体の軽やかさと俊敏性だけでペインのひとりを…」


猫のようなヒトだな、と感嘆するも、直後、天道を相手にし
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