第一章
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編集が問題
ここ数年大手出版社である大学館の看板週刊漫画少年雑誌である週刊少年ヨンデーの発行部数が落ちていた。
「まずいな」
「全くですね」
「我が社の看板雑誌だというのに」
「ヒットコミックやゴロゴロと並ぶ」
「そうした雑誌ですが」
「もう小学校一年生から六年生でだ」
社長は重役達に話した。
「三年生から六年生は休刊していてだ」
「ヤングヨンデーもです」
「少年ヒットコミックからの伝統ある雑誌でしたが」
「そちらも休刊していますし」
「そこにヨンデーともなりますと」
「幾ら出版不況でもな」
そうしたご時世でもというのだ。
「我が社としては流石にだ」
「週刊少年ヨンデーの休刊はなりません」
「あの雑誌は続けましょう」
「何としても」
「そうしないとな、こうなれば編集長を代えるか」
新しい編集長にというのだ。
「そうするか」
「左様ですね」
「そうしますか」
「ここは」
「そうだな、月刊少年ヨンデーの編集長だっただ」
その役職だったというのだ。
「岡田君に任せるか」
「岡田勝男君ですか」
「彼に任せますか」
「ヨンデーを」
「そうしよう、月刊で随分頑張ってくれてな」
社長はさらに話した。
「ヒット作を出して発行部数も伸ばしてくれて作者さん達からの評判もいい」
「責任感もあるそうですね」
「仕事の失敗は全部自分が持って」
「それならですね」
「彼にですね」
「ヨンデーを任せよう」
こう言ってだった。
実際に週刊少年ヨンデーの編集長に岡田を任命した、岡田は太ってきりっとした顔立ちで黒髪を真ん中に分けている大柄な男だ。
その彼がだ、編集長に就任すると早速編集者達を自分が選んだ者にしていった、だが名の知られた編集者達がだ。
「枝野さん外しますか」
「辻元さんも」
「それに鳩山さんも」
「安住さんも」
「その人達は皆ヨンデーから去ってもらうよ」
岡田は自分が任命した編集者達に答えた。
「そして責任は僕が持つからね」
「漫画家さん達にですね」
「どんどん面白い作品描いてもらいますね」
「新連載出していって」
「新人も発掘して」
「そうしていくよ、漫画家さんには真面目に描いてもらって」
そうしてというのだ。
「君達はその才能を生かしていくんだ」
「わかりました、それならです」
「漫画家さんの個性を生かしてです」
「そして描いてもらって」
「そのサポートをしていきます」
「君達も自由にやっていい、漫画家さんをサポートして」
そうしてというのだ。
「面白い作品を創ってくれ、いいな」
「わかりました」
「そうしていきます」
「是非共」
「そうしていきますので」
「頼むよ、僕も編集長として
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